個人で骨董市やフリマサイト、オークションサイトなどからジャンク銀製品を集めて、井島貴金属精錬などに精錬依頼し、銀インゴットにしたうえで売却する場合の日本の税金について、分かりやすく解説します。
1. 発生する主な税金
・譲渡所得税
銀インゴットを売却して得た利益(売却益)は「譲渡所得」となります。
譲渡所得は「他の所得(たとえば給与所得)」と合算されて総合課税となり、確定申告が必要です
この譲渡所得には下記のルールが適用されます。
- 年間の譲渡益が50万円以下なら非課税
- 1年間で得た譲渡益が50万円以下なら譲渡所得税はかかりません。
- 50万円を超えた場合は課税対象
- 50万円を超える場合、その超えた部分が課税対象です。
2. 所有期間による課税計算
- 5年以内の所有→短期譲渡所得
課税対象となる利益 = 売却額 -(取得費+売却手数料)- 特別控除50万円
所得税は総合課税扱いで他の所得と合算され、税率は人によって異なります。 - 5年超の所有→長期譲渡所得
課税対象利益 = {売却額 -(取得費+売却手数料)- 特別控除50万円}÷2
税率は上記同様ですが、利益が半分になるため節税効果が大きいです。
3. 「取得費」=購入明細がない場合
ジャンク銀製品は個々に購入明細(レシートや領収書)がないことが普通です。
この場合、取得費(=購入金額)が証明できないため、
- 原則として売却額の95%を利益(取得費は5%)として計上
- つまり、ほぼ売却額がまるごと課税対象となります。
例:10万円で売却→取得費が不明の場合、9万5,000円が利益とみなされ課税対象に。
4. 手数料や精錬費用
- 精錬時の費用、売却時の取引手数料などは「譲渡費用」として計算に含めることができます。
5. 消費税について
- 個人が反復継続して営利目的で売買を繰り返している場合、「事業」とみなされて消費税課税業者となる可能性がありますが、年間売上1,000万円以下なら一般的には消費税の申告義務はありません。
6. 確定申告の必要性
- 売却益が50万円を超えたら要申告
譲渡所得として確定申告が必要です。
申告を怠るとペナルティ(追徴課税等)を受ける場合があります。
まとめ(ポイント整理)
- インゴット売却益は基本「譲渡所得」。50万円以下は課税なし。
- 5年超の所有は課税対象利益が半分に。
- 購入明細がない場合、取得費は売却額の5%で計算され、税負担が大きくなる。
- 売買を繰り返していると事業判定・消費税申告の可能性あり。
- 精錬・売却などの手数料は費用として控除可。
- 必ず確定申告をおこなう。
こうした事情をふまえ、購入時の記録は可能な限り残し、特に売却益が出そうな場合は早めに税理士などへ相談するのが賢明です。
以上、参考になりましたら幸いです!
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