個人がジャンク銀などを集めて井島貴金属精錬などで精錬・銀インゴット加工し、そのインゴットを売却した場合、その売却益は「譲渡所得」として扱われ、他の所得(たとえば給与所得)と合算されて総合課税の対象となります。
譲渡所得の計算は以下の通りです。
- 譲渡所得の計算方法
 譲渡所得=売却価格 − (取得価格+売却費用) − 特別控除50万円
 ※取得価格は、ジャンク銀を購入した金額や精錬費用などの合計を指します。
 もし取得費が不明などの場合は「みなし取得費」として売却価格の5%で計算できます
 (5%超で立証できなければ5%となる)。
- 保有期間による課税の違い
- 保有期間5年以内(短期譲渡所得):上記譲渡所得で計算し課税
- 保有期間5年超(長期譲渡所得):譲渡所得の半額が課税対象となり税率がかかる(=税負担が軽くなる)
- 特別控除について
 譲渡所得から50万円までは控除され、年間の譲渡所得の合計から50万円を差し引き、その超過分が課税対象になります。
- 総合課税の特徴
 譲渡所得は給与所得などと合算され、その合計所得に応じた所得税率がかかります。
 所得税率は所得が増えるほど高くなる(累進課税)。
年収と売却益別の具体例
例:
- 50歳、会社員、年収600万円(給与所得のみ)
- 銀インゴット売却で得た譲渡所得=100万円(控除後の利益)
概算計算例
- 年収600万円程度の人の所得税率は約20%(住民税10%を含めて約30%と想定)
- 譲渡所得100万円に課税されるので、税額は約30万円になる。
- 確定申告が必要。
一方で、老後に年収(他の所得)が低いと、総合課税の税率も低くなります。たとえば、
- 老後の年収200万円程度(公的年金など)
- 同じく譲渡所得100万円が発生
この場合、所得税率は低く抑えられ、支払う税金は数万円から十数万円程度に減る可能性があります。
なぜ老後が税制上有利か
譲渡所得が総合課税で他の所得と合算されるため、所得が多い現役時代は税率が高く、多額の税が発生します。
年収が下がる老後に売却すると、総合課税の課税所得が少ないため、税率が下がり税負担が軽減されやすいという仕組みです。
注意点
- 取得価格は精錬費用やジャンク銀購入費用の合計が認められますので、購入証明などは必ず保管してください。
- 譲渡所得は必ず確定申告が必要です。
- 5年超保有すれば課税対象の譲渡所得は半額になりますので、長期保有が有利です。
このように、銀インゴットの売却益は、譲渡所得として総合課税されるため所得税率は年収により変わり、年収が下がる老後に売却することは税制上有利になるケースが多いです。
具体的には、現役時に年収600万円で100万円の譲渡益だと約30万円納税するのに対し、老後年収200万円の同じ譲渡益では税額が大幅に下がるイメージです。
以上、参考になりましたら幸いです!
 
  
  
  
  

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