独立と従属のはざまで──星の輝きに込められたキューバ共和国の夢

日常
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本日、こんなものが届きました。

みんな大好き スマートレターです。

早速 開封してみましょう!

入っていたのは キューバの星の銀貨、40Centavosと20Centavosです。

20Centavosについては以前 紹介しているので 今回は40Centavosがメインです。

地金価格以下で購入してるので だいぶ摩耗しています😅

1. コインの詳細スペック

種類: 40 Centavos(キューバ共和国硬貨)
発行年: 1915年
材質: 銀(.900、純度90%の銀)
直径: 約 30 mm
重量: 約 10 g(銀純分 9 g)
デザイン:

  • 表面(オモテ面):中央に独立の象徴である大きな星と放射光が描かれ、上部に『PATRIA Y LIBERTAD(祖国と自由)』の銘、下部に年号『1915』、左右には『10 G.』(重量10グラム)と『900 M.』(銀の品位900/1000)が刻まれています。
  • 裏面(ウラ面):キューバ共和国の国章(盾、鍵、三本の青い帯と赤白の背景を象徴するデザイン)が描かれ、周囲に「REPUBLICA DE CUBA CUARENTA CENTAVOS」の文字。
    だいぶ 摩耗しているので 分かりにくいですが😅

この「星と放射光」のデザインは、キューバ独立運動以降ずっと用いられており、スターは独立と自由の象徴です。

やはり重量的にも摩耗は見られます。

2. 発行当時の歴史的背景(1915年前後のキューバ)

このコインの発行年1915年は、キューバが新しく成立した共和国として最初の歩みを進めていた重要な時期でした。

◆ キューバ独立までの経緯

  • 1898年:スペイン−アメリカ戦争がおこり、アメリカが勝利。300年以上続いたスペインの植民地支配が終焉。
  • 1902年:形式的にキューバ共和国が独立。ただし、アメリカ合衆国は「プラット修正条項」により、キューバの外交や経済、治安維持に大きな影響力を保つ。グアンタナモ湾の租借権もこの時期に確立。
  • 1910年代前半:政治的不安定、政権抗争、農業依存(特に砂糖産業)、外国資本(特にアメリカ企業)の支配が強まる。

◆ 1915年のキューバ

  • 大統領:マリオ・G・メノカル(Mario García Menocal、在任1913–1921)。彼は「鉄の男」と呼ばれ、比較的安定した統治を行ったとされる。
  • 国際情勢:第一次世界大戦(1914–1918)がヨーロッパで勃発。キューバは直接戦場にはならなかったが、戦争によって砂糖価格が急騰し、経済的な好況を経験。
  • 通貨改革:1915年はキューバにとって、新しい国家貨幣体系が整備され始めた重要な年。アメリカの規格をモデルにした硬貨が鋳造され、米ドルと価値の互換性を持たせて流通された。

3. 国際情勢とキューバの立ち位置

  • キューバ経済はこの時期、モノカルチャー(砂糖依存)で、実質的に米国市場に従属していました。アメリカ企業が農園、鉄道、銀行などを支配。
  • 一方で、第一次世界大戦の影響で欧州の砂糖供給が減少したため、キューバ産砂糖は国際需要が跳ね上がり、農園主や輸出業者は巨利を得て、国に活気が出ました。
  • しかし、この繁栄は戦時需要による一時的なものに過ぎず、後の1920年の「砂糖価格暴落(Sugar Crash)」につながり、キューバ経済は深刻な打撃を受けることになります。

4. このコインに込められた意味

この40Centavos銀貨は、単なる貨幣以上のものを象徴していました。

  • 「Patria y Libertad(祖国と自由)」という標語には、スペインからの独立を勝ち取った誇りと、外国干渉の中でも自立を希求するキューバの精神が込められています。
  • 銀含有の高い貨幣は、国際的信用を担保するためのもので、アメリカと結びついた経済基盤の一部を成しています。

まとめ

1915年のキューバ40Centavos銀貨は、独立後のキューバ共和国が米国影響下にありながらも「独立国家」として自らの通貨体制を整え、国の誇りを象徴しようとした時代の産物です。

その美しいデザインは自由への強い願いを示す一方で、実際の経済は米国依存に縛られており、まさに「独立と従属」の狭間に立つ共和国の姿を反映しているといえます。

以上、参考になりましたら幸いです!

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