井島貴金属精錬でジャンク銀を精錬加工して作った銀インゴットを、子供に相続させた場合の税金は、次のように考えられます。
- 相続税について
相続した銀インゴットは相続財産として、その時点(被相続人の死亡時)の評価額で相続税の対象になります。
評価額は銀の時価(市場価格)で決まります。
つまり、親から相続した段階で、その銀インゴットの評価額に応じて相続税がかかります。 - 譲渡所得について(売却時)
相続した銀インゴットを売却した際、その売却益(譲渡所得)が課税対象になります。
譲渡所得は、「売却価額-(取得価額+売却費用)」で計算されます。
ここでの「取得価額」は、被相続人が銀を購入または精錬したときの価格ではなく、相続した財産の評価額(相続税評価額=死亡時の時価)を基に計算します。
つまり、譲渡所得は
「売却価格-相続時の評価額-売却費用」となり、この利益に対して所得税(譲渡所得税)がかかります。
具体例を使った説明
- 親がジャンク銀を買って精錬し、純銀インゴットを作った
- 親の死亡時の銀インゴットの時価(評価額)=300万円
- 相続したあなたは相続税をこの300万円をもとに計算し、仮に相続税額が30万円かかったとします
- その後あなたが銀インゴットを350万円で売却した
- 譲渡所得は「350万円-300万円=50万円」(売却費用はないものとします)
- 50万円には50万円の特別控除があるので、この場合課税譲渡所得は0円で所得税はかかりません
しかし売却益が50万円を超えると、その超えた分に税金がかかります。
ポイント
- 相続した時点で相続税を払う必要がある(金額により異なる)
- 売却時に譲渡所得税もかかる可能性がある(売却価格と相続時評価額の差分に対して)
- 取得価格の証明がないと「売却価格の5%を取得価格」とみなされ、譲渡所得が大きくなり納税額が増えるリスクがあります。
購入や精錬時の領収書、納品書は必ず保管してください
対策案
- 小分け(分割)して売却
譲渡所得には年間50万円の特別控除があるため、利益が50万円以下になるよう分割して売却すると税負担が軽くなります。 - 取得価額の証明をきちんと保管
銀の購入・精錬の証明がないと、取得価額が低く見なされ譲渡所得の税負担が大きくなる恐れがあります。 - 相続税対策としての現金化やギフト
相続税対策は現時点での相続財産の評価を下げることが基本。
現金化して必要な分だけ売却、残りを贈与や分割相続で負担を分散する方法などがあります。
要約すると、相続で得た銀インゴットは「相続時の評価額で相続税」、売却時は「売却益に対する譲渡所得税」がかかります。
相続税と譲渡所得の両方課税されるのが基本です。
譲渡所得を計算するときは相続時の評価額が取得価格になる点が、一般の譲渡所得と異なる重要ポイントです。
分割売却や取得証明の保管が対策の鍵となります。
以上、参考になりましたら幸いです!
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