配偶者の扶養について簡単に説明してみる試み

事業

税務や社会保険の扶養についての知識は正しく理解されていないものの一つだと思います。

まあ、制度自体が複雑ですし、呼び名は同じだけど制度は別物だったりして分かりにくいですよね。

自己への理解を深めると共に、なるべく簡単に説明してみようと思います。

『扶養』ですが、これには『所得税上の扶養』と『社会保険上の扶養』の2種類があり、この2つは全くの別物と考えていた方がよいのです。

この2つを区別していないから、よく分からなくなってしまうんですね。

■所得税上の扶養について

・得する人:扶養する人

・メリット:扶養する人の所得税が安くなる、いわゆる扶養控除が適用できる

・扶養して貰う人の給与年収の壁:103万円※細かい規定あり

『所得税上の扶養』は扶養される側には関係無いんですね。

扶養する側のパートナーの所得が控除され、お得になるんです。

家計全体で考えれば十分意識したいところです。その時に意識するのは扶養される側の給与年収が103万円以下かということですが、後述する『社会保険上の扶養』の方が遥かにメリットが大きいので、そちらの年収を重要視したほうがよいです。

■社会保険上の扶養について

・得する人:扶養される人

・メリット:扶養する人が厚生年金なら、扶養される人の健康保険と年金の負担が0円になる

・扶養して貰う人の給与年収の壁:130万円

『社会保険上の扶養』は扶養する人が厚生年金なら、健康保険料と年金を負担しなくてよい神制度なんです。

勤め人ならば社会保険料の負担の大きさは身に沁みて分かりますよね。

ただし、収入基準は所得税とは異なります。

所得税では非課税になるものも収入に含める必要があるため注意しましょう。

具体的には下記のような収入です。

失業手当、出産手当金、労災保険の傷病補償給付、その他 年金など

社会保険上の収入と思ったほうがよいですね。

収入基準額は年間130万円未満です。

扶養して貰う人が60歳以上だったり、障害がある場合は180万円未満まで引き上げられます。

ただし、これは月々の収入ベースで判断されてしまうので注意が必要です。

年間130万円未満なので、これを月に換算すると10万8,333円未満が扶養の条件ということになります。

通年で扶養されたい人は、毎月10万8,333円未満の収入に抑えなくてはいけません。

そういう意味では扶養の壁は『月給10万8,333円の壁』と言ったほうがいいんですね。

この辺の考え方は、確定申告をベースとした年間単位を基準とする『所得税上の扶養』とは異なりますので注意が必要です。

重要なのは、扶養は2種類あることを理解することです。

以上、参考になりましたら幸いです。

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