カーエアコンの配管断熱をすることでエアコン効率のアップを狙います。
ラジエーター後の、横に走ってるシルバーの配管がエアコン低圧側配管になります。よく見るとアルミパイプが冷やされてすごく結露しています。
カーエアコンは主にコンプレッサーを介して高圧配管と低圧配管がありますが、断熱するのは低圧配管のみになります。
低圧配管は車内を冷やした後に出てくるリターン側の配管で冷媒ガスは冷えたまま出て来ます。
出てきた冷媒ガスはコンプレッサーまで届けられ、再度コンプレッサーで圧縮されます。
圧縮されると高温になるので、入力される冷媒ガスの温度が低い方が有利です。
ターボ車で圧縮空気が高温になってしまうようなイメージですね、当然 入力される吸気温度は低い方が有利です。
圧縮された冷媒ガスは外気よりも高温になるため、放熱によりなるべく冷やしたいので高圧配管側は断熱しない方が有利です。
むしろ高圧配管側はアルミフィンなどをつけて積極的に放熱した方がいいのかもしれませんね。
家にストックしてあった断熱材になりそうな素材です。
パイプ保護カバー、コルゲートチューブ、電工用テープなどです。
シルバーのコルゲートチューブは20年くらい前に買ったやつです。
私の走行距離20万キロオーバーのJB23W 4型 ジムニーで実験します。
低圧側配管はエキマニタービンのすぐ横を通って車内に通じているので、断熱効果は高そうです。
一応、施工前のエアコン吹き出し口の表面温度を測ります。
20.4°cでした。
測定結果は外気温度など外部要因に大きく左右されるので参考程度にしてください。
アルミ配管に電工用のテープを巻いて、コルゲートチューブを取り付け、その上にパイプ保護カバーを巻き付けます。
断熱する部分は熱伝導率の高いアルミパイプ 部分のみとし、ゴムホース部分は断熱しません。
■素材別の熱伝導率
①アルミ:150〜200 [W/(m・K)]
②ゴム:0.13〜0.20 [W/(m・K)]
③プラスティック:0.2〜0.6 [W/(m・K)]
一般的にゴムとアルミでは熱伝導率は1000倍ぐらい違うんですね。
社外エアクリーナーなどに交換して、サクションパイプが純正のゴム製やプラスチック製からアルミ製やステンレス製になってしまうのは熱伝導率を考えたらデチューンであると言えます。
エキゾースト近くは車両火災のリスクがあるのでコルゲートチューブのみとします。
パイプ保護カバーはタイラップは使わずに長期耐熱性、耐久性を期待してアルミ線を使いました。
施工するのは面倒ですが耐久性を考えたら アルミ線の方が良いと思います。
ちなみにダイソーで購入したアルミ線になります。太さ違いで何種類か持っていると何かと便利ですよ。
完成です。ゆっくりやって1時間ぐらいで終わりました。
リザーバータンクやエアクリに繋がるホースなど、外せるものは外した方が作業が楽です。
断熱施工後のエアコン吹き出し口の温度です。
19.8°cです。
外気温も作業前よりは高くなっていたので厳密な比較にはならず参考程度となってしまいますが、低くはなっています。
エアコン低圧側配管断熱は理論的には必ず効果がありますし、費用も時間もそれほどかからないので断熱に興味のある方は チャレンジしてみてください。
なお、エキゾースト周りの断熱には車両火災のリスクがあるため断熱材の選定には注意が必要です。
エキゾースト周りは無理に施工しない方がいいのでそこだけは気をつけてください。
以上、参考になりましたら幸いです。
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