ここ最近、現物資産形成の一環で銀貨をはじめとした銀製品を集めることにはまっています。
現在の純銀の地金価格は1gで135円ほどと高騰しており、地金価格よりも なるべく安い価格で購入できれば勝ちという一種のゲーム感覚で収集しています。
必然的にフリマサイトやオークションサイトなどで中古品や真贋不明品などを購入するのが前提となります。
今回、メルカリでシルバー製と思われるペンダントトップを購入しました。
10年ほど前にエスニック雑貨店で購入し、シルバーの材質を示す刻印などはないとのことでした。
販売価格は破格の送料込み350円です。
10年前であれば 銀の価格はそれほど高くはなかったので銀製である可能性は高いと考えました。
届いた現品です。
それでは多角的に検証していきましょう!
1.外観観察
妙に光沢があり、真鍮鋳物+クロムめっき品のような気もします。
これについては前のオーナーが磨きをかけた可能性もあります。
ただ黒ずみはありますがめっきの剥離のような箇所は認められません。
外観観察上、材質を示すような表記や刻印は一切見られませんでした。
2.比重測定
次に比重を測定します。
比重は、『重量÷体積』で求めることができますが、体積を求めるのにアルキメデスの原理を用います。
アルキメデス原理では、『体積=水中での重量』となり、これは水中置換法と呼ばれます。
よって、比重は『重量÷水中での重量』となります。
銀製品であれば 比重は 9~10g/c㎥ の間に入るはずです。
重量は 15.72g
水中での重量を測定するため糸を結びます。ペンダントトップはこういう時は楽ですね。
水中での重量は 1.67g です。
15.72÷1.67=9.413 g/c㎥
比重値としては銀製の可能性が高いです。
Ag1000の比重は10.5
Ag900の比重は10.15
Ag800の比重は10.07
Ag750の比重は9.99
銅の比重は8.93
錫の比重は7.3
亜鉛の比重は7.13
経験上、この比重測定法は若干比重が軽く出るので、少なくとも銅、錫、亜鉛では無いようです。
3.熱伝導検証
銀の熱伝導率は、420 W/mKで、金属の中で最も熱を伝えやすい性質を持ちます。
銀:420(W/m K)
銅:398(W/m K)
金:320(W/m K)
アルミ:236(W/m K)
真鍮:106(W/m K)
鉄:90(W/m K)
ステンレス:84(W/m K)
鉛:34(W/m K)
その熱伝導率の高さから、銀を氷に当てると瞬時に溶けて氷に刺さると言われています。
実際に検証してみましょう。
現品を氷の上に置くと瞬時に溶けてめり込んでいきます。
氷を縦に置いても現品が氷に刺さって落ちてきません。
熱伝導的にはOKなようです。
4.化学薬品反応検証
次に塩素系洗剤に浸けて表面が黒く変色するか確認することで、金属の種類を判別できます。
銀製だったら直ぐに黒く変色するはずです。
家にあった塩素系の漂白剤です。
次亜塩素酸ナトリウムの漂白剤です。
3分間ぐらい漬込みましたが、
殆ど変色しませんでした。
むしろ黒ずみが取れて綺麗になった感じです。
漂白剤の種類が違うんでしょうか?この件に関してはよく分かりませんでした。
他の銀製品などでも検証してみたいと思います。
5.破壊試験
現品の表面をヤスリがけし、内部の金属の色合いを確認します。
これは現品の損傷を伴う一種の破壊試験なので、最終手段となります。
使うヤスリです。
将来的に転売する可能性があるので、なるべく目立たないところをヤスリがけします。
ヤスリで削った母材も同じ銀色でした。削った摩耗粉も同じ銀色でめっきなどの表面処理はされていません。
まとめ
各種検証結果を総合し、現品は銀製である可能性が極めて高いです。
比重の高い鉛など使用した、ホワイトメタル の可能性もありましたが、現品の熱伝導の高さから否定できます。
漂白剤との反応が上手く出なかった原因は不明ですが、別途検証していきます。
925シルバーであれば、銀の価値だけで2,000円近くになります。
以上、参考になりましたら幸いです、レンジャー
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