企業のマーケティング指標の一つであるLTV(Life Time Value、顧客生涯価値)とは、ある顧客が企業と取引を開始してから終了するまでの期間に、その顧客が企業にもたらす利益の総額を示す指標です。
つまり、顧客1人が企業にもたらす売上や利益の「生涯合計額」を数値化したものです。
LTVは顧客との長期的な関係性を重視するマーケティングにおいて重要で、具体的には「1回の購入単価×購入頻度×継続期間(取引の続く年数)」で概算されることが多いです。
例えば、定期購入やサブスクリプションサービスではリピート率が高く、LTVは企業の安定した収益予測に役立ちます。
しかし、消費者の目線で見ると、LTVを意識した企業の戦略には以下のような注意点があります。
- 顧客維持のために企業はアップセル(より高価な商品への誘導)やクロスセル(関連商品の推奨)を積極的に行う傾向があるため、無理な追加購入や継続契約を勧められることもある。
- 長期的な契約やサブスクリプションは途中解約が難しい場合があり、契約内容をよく理解した上で、無駄な出費にならないよう自分の利用ペースや必要性を見極めることが重要。
- LTVが高い顧客層に企業は重点的にサービスや割引を提供する傾向があり、初回購入だけの顧客は割高だったり、適切なフォローを受けられないことがあるため、購入前に本当に自分に合った商品かしっかり検討する必要がある。
具体的な例として、ある定期購入型の化粧品ブランドを考えると、企業は顧客のLTVを上げるため「毎月の利用を促す割引やポイントシステム」を提供します。
顧客は「お得」と感じて継続しますが、実際の使用ペースより多く購入してしまう、または使わない期間も支払いが発生することがあります。

消費者は契約条件や解約方法、使う頻度を正しく理解し、適切に判断することが必要です。
まとめると、LTVは企業にとっては顧客価値の総合的な把握と収益安定化に役立つ指標である一方、消費者は長期的な支払い負担や販売戦略の意図を見抜き、自分のニーズとコストのバランスをしっかり取ることが重要だと言えます。
つまり、企業のLTV最大化施策に「賢く付き合う」ことが消費者に求められます。
以上、参考になりましたら幸いです!
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