平成19年銘貨幣セット 南極地域観測50周年記念 500円ニッケル黄銅貨幣入りです。
フリマサイトで1700円で購入しました。
ほぼ最安値ですね。
パッケージ裏には南極大陸が
中はこんな感じです。
地球儀を模したデザインのケースに入ったコレクション性の高い貨幣セットです。
樺太犬のタロとジロの凛々しい姿が良いです。
前足のこのポーズ、犬を飼った人ならわかる とても愛らしい仕草ですよね。
裏面には南極大陸が描かれています。
この貨幣セットの発売には、1983年に公開された映画『南極物語』の影響が多大にあります。
この映画は、1958年に日本の南極観測隊によって南極に取り残された2匹の樺太犬、タロとジロの実話を基に制作されました。
彼らの生還は、日本国内で大きな感動を呼び起こし、映画も大ヒットを記録しました。
しかし、この物語の背景には、日本が直面していた国際的な情勢や国内の社会状況が深く関わっています。
映画『南極物語』の物語と共に、当時の日本の国際的背景について詳しく見ていきます。
タロとジロ:日本の希望と国際的背景
南極観測と冷戦時代の国際競争
1950年代後半、世界は冷戦の真っ只中にありました。アメリカとソビエト連邦が宇宙開発競争や軍事拡張を進める中、科学的探査もまた国際的な競争の一環となっていました。南極は、その厳しい環境ゆえに人類未踏の地として科学的な関心が高まり、各国が南極観測を競って行いました。
日本も例外ではなく、1956年には第一次南極観測隊が派遣されました。日本の南極観測は、科学的探査の一環であると同時に、戦後の復興を遂げた日本が国際社会における地位を再確立しようとする象徴的な意味合いも持っていました。当時、日本はまだ第二次世界大戦の敗戦国としての立場から脱却しきれておらず、国際的な影響力を回復するための手段として、南極観測が重要視されたのです。
タロとジロの物語
1958年、第二次南極観測隊が南極に派遣されましたが、過酷な天候条件のため、観測隊はやむを得ず撤退を余儀なくされました。その際、南極に15匹のサハリン犬が残されることになりました。この決断は、当時の観測隊にとって非常に辛いものでしたが、やむを得ない状況でした。
その後、第三次観測隊が1年後に南極に戻った際、驚くべきことにタロとジロの2匹が生き延びているのが発見されました。彼らは極寒の地で見事に生存し続けていたのです。この奇跡的な生還は、日本国内で大きなニュースとなり、タロとジロは一躍、国民的な英雄となりました。
映画『南極物語』の影響
タロとジロの物語は、日本国民の心に深く刻まれました。そして、1983年に公開された映画『南極物語』は、彼らの感動的な物語を再び蘇らせました。この映画は、日本映画としては異例の大ヒットとなり、興行収入は約59億円に達しました。『南極物語』は、単なる動物映画にとどまらず、日本の南極探査の歴史と、それを支えた人々や動物たちの努力を讃えるものとなりました。
当時の日本社会とタロ・ジロブーム
1980年代初頭の日本は、経済成長が続く中で自信を取り戻しつつありました。タロとジロの物語は、その自信と誇りを象徴する存在となりました。戦後、日本は多くの困難を乗り越えて復興し、経済的に成功を収めましたが、それでも国際社会における立場には微妙な感情が残っていました。タロとジロの生還は、日本が世界に対して再び力強く立ち上がったことを示す象徴的な出来事と受け止められたのです。
結論
タロとジロの物語は、単なる犬の生存の奇跡を超えて、日本の国際的な立場や社会的な感情と深く結びついています。映画『南極物語』は、彼らの物語を広く知らしめ、日本人の誇りを再確認する機会となりました。そして、タロとジロは、今でも日本の歴史において特別な存在として語り継がれています。この物語は、日本がどのようにして困難を乗り越え、世界の舞台に再び登場したのかを象徴するものとして、多くの人々に感動を与え続けています。
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