​【米国株・オルカン投資家必見】株価が変わらなくても資産が2割減る?「円高リスク」の正体と暴落に負けない心構え

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新NISAの開始などをきっかけに、「S&P500」や「オルカン(全世界株式)」などのインデックスファンドで積立投資を始めた方が増えています。

連日の株高ニュースや、着実に増えていく口座画面を見て「投資を始めて本当によかった!」と感じている方も多いでしょう。

しかし、投資の成果が絶好調な今だからこそ、絶対に知っておくべき重要なテーマがあります。それが「円高リスク」です。

「株価が上がっているから大丈夫」「長期投資だから関係ない」と思っていませんか?
実は、株価(現地通貨ベースの値打ち)が全く変わっていなくても、為替が円高に振れるだけで、円換算した評価額が10%〜20%以上も目減りしてしまうことがあります。

この記事では、円高によって資産の評価額が変わる仕組み、円高がもたらす「買い増しのチャンス」という二面性、そして暴落が来ても慌てずに投資を続けるための実践的なシミュレーション方法まで徹底解説します。

※前提条件として
本記事で扱うのは、一般的に広く買われている「為替ヘッジなし」の米国株ファンドや全世界株式ファンドです。「為替ヘッジあり」のファンドは円高による下落を抑える効果がある一方で、日米の金利差に応じた「ヘッジコスト」が発生し、為替変動の影響を完全に排除できるわけでもないため、全く別の戦略・考え方が必要となります。

1. 円建て表示の中身は「外貨建て資産」

私たちが日本の証券会社から日本円で投資信託を買う場合、画面上では「〇〇万円」と円で表示されています。しかし、その中身は外貨建ての資産です。

ここで注意したいのは、「米国株」と「オルカン」で保有している通貨の構造が異なる点です。

  • 米国株ファンド(S&P500など):
    資産の多くは「米ドル建て」の株式です。そのため、影響のほとんどは「米ドル対日本円」の為替レートに左右されます。
  • 全世界株式ファンド(オルカン):
    米ドルだけでなく、ユーロ、英ポンド、日本円、新興国通貨など複数の通貨建て資産を含んでいます。そのため、米ドルだけでなく「世界の主要通貨に対する全体的な円高」の影響を受けます。

いずれにせよ、私たちの資産価値は「資産そのものの価値(現地通貨ベースの株価)」×「為替レート」の掛け算で決まります。

株価がどれだけ好調でも、円高が進めば日本円で見た「財産の額」は目減りする――これが外貨建て資産を持つ投資家が避けて通れない「為替リスク」の本質です。

2. 具体例:1ドル150円から120円になると評価額はどうなる?

どれくらいのインパクトがあるのか、具体例で計算してみましょう。

現在、1ドル=150円の円安局面で、あなたが1万ドル分(=150万円分)の米国株ファンドを保有しているとします。

もし、ここから株価が1ドルも変わらず、為替レートだけが1ドル=120円まで円高に進んだらどうなるでしょうか?

  • 1ドル=150円のとき: 10,000ドル × 150円 = 1,500,000円
  • 1ドル=120円のとき: 10,000ドル × 120円 = 1,200,000円

株価(ドル建ての価値)は一切下がっていないにもかかわらず、円換算の評価額は150万円から120万円へと、30万円(つまり2割)減少してしまいます。

ドル建ての資産そのものが消えてなくなったわけではありません。しかし、日本円に換算したときの評価額は、為替の変動だけで一気に2割削られてしまうのです。

3. 今の「絶好調」の正体は「株高 + 円安」の重なり

「最近、資産が順調に増えている」と感じているなら、その背景にある2つの要因を冷静に分解してみる必要があります。

  1. 株価の上昇(株高): 世界の株式市場が好調で、企業価値が上がった。
  2. 為替の変動(円安): 円の価値が下がり、円換算したときの評価額が大きく嵩増し(かさまし)された。

現在は、まさにこの「株高 + 円安」という“ダブルの追い風”が吹いている絶好調な局面です。

しかし相場は循環します。見方を変えれば「これ以上ないほど恵まれた環境」であり、将来的に逆の波が来る可能性を忘れてはいけません。

もっとも、「円高と株安が必ずセットで同時に来る」とは限りません。円高は輸入企業のコストを下げたり内需を支えたりと、日本経済や一部の企業にとって好材料になる側面もあります。

重要なのは、円高と株安を一括りにしてパニックになるのではなく、「為替のリスク」と「株価のリスク」をそれぞれ別の要素として正しく把握しておくことです。

4. 円高は「損失」だけじゃない?積立投資家にとっての二面性

ここまで読むと「円高は恐ろしいものだ」と感じるかもしれませんが、長期の積立投資家にとって、円高は決して「悪」だけではありません。円高には「評価額を下げる」と「安く買い増せる」という2つの側面があります。

たとえば、毎月3万円を投資信託に積み立てている場合で考えてみましょう。

  • 1ドル=150円のとき: 3万円で買えるのは 200ドル分 の資産
  • 1ドル=120円のとき(円高): 3万円で 250ドル分 の資産を買える!

すでに保有している資産の評価額が下がるのは悲しいことですが、これから積み立てていく人にとっては「同じ日本円でより多くの外貨建て資産を仕込める大チャンス」に変わります。

長期積立投資において、円高局面は「損失の始まり」ではなく、「将来大きなリターンを得るための仕込み期間」と捉えられるかどうかが、運用成功の分かれ道になります。

5. 最悪シナリオに備える「0.64倍」シミュレーション

急激な円高や市場の暴落が訪れても動揺せず、投資を継続するために、今すぐできる超実践的なセルフチェックをご紹介します。それが「8割がけ(さらに進んで0.64倍)シミュレーション」です。

ステップ①:まずは「為替のみ2割減(0.8倍)」を試す

現在の評価額に「0.8」を掛けてみてください。

  • 現在の評価額が500万円の場合
    500万円 × 0.8 = 400万円(マイナス100万円)

為替が150円から120円になるだけで、この状態になります。「100万円減っても冷静でいられるか?」を自問自答してみましょう。

ステップ②:最悪の「株安2割 + 円高2割(0.64倍)」を試す

さらに慎重にリスクに備えたい方は、株価も為替も同時に2割下落したケースを想定します。
0.8(株価) × 0.8(為替) = 0.64

  • 現在の評価額が500万円の場合
    500万円 × 0.64 = 320万円(マイナス180万円)

自分の資産が500万円から320万円に減った世界をリアルにイメージしてみてください。
この数字を見ても「生活には影響ないし、安く買える時期だと思って淡々と積立を続けよう」と思えるでしょうか?

もし「夜も眠れなくなる」「怖くて解約したくなる」と感じたなら、それはあなたのリスク許容度(耐えられる損失の限度)を超えて投資しすぎているサインです。投資額を少し減らし、現金比率を高める調整を行いましょう。

6. 円高リスクと向き合うための具体的なアクション

リスク許容度を超えないために、私たちが取るべき対策はシンプルです。

  1. 短期的な為替予測で売買しない:
    「これから円高になるから売る」「円安だから買う」といった短期予測はプロでも不可能です。相場を予測するのではなく、どう動いても耐えられる準備に集中しましょう。
  2. 十分な「日本円の現金(生活防衛資金)」を残す:
    万が一、資産評価額が大幅に減少しても、生活費(6ヶ月〜2年分程度)が日本円の現金で銀行口座に確保されていれば、パニック売り(狼狽売り)を防ぐことができます。
  3. 下落局面でも淡々と積立を続ける:
    先述の通り、円高や株安の時期こそが「将来の資産の種」を安く多く仕込める時間帯です。感情を挟まず、自動積立を維持することが最善の手となります。

7. まとめ

円高リスクとは、「外貨建て資産を持つことの代償」ではありません。「世界の成長に投資し続けるために、為替の波も受け入れる覚悟」そのものです。

山あり谷ありの相場において、一時的な為替の波に振り回されず、長期的な右肩上がりの波に乗るためには、事前の「心の準備」と「適切なリスク管理」が何よりも強力な武器になります。

今日、ご自身の口座画面を開いたら、まずは現在の評価額に「0.8」をかけてみてください。次に、「0.64」をかけてみてください。

その減少した数字を見つめてなお、「よし、それでも自分は未来のために積立を続けられる」と思えるなら、あなたはこれから訪れるどんな円高や暴落の波も乗り越えていける、本当の強さを持った投資家です。

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