「今期は過去最高益を達成しました!」
社長が全社会議で誇らしげに語り、社内が拍手に包まれる。
そんな光景を見たことがある人は多いはずです。
現場の社員が遅くまで残業し、必死に頭を悩ませ、汗水垂らして掴み取った素晴らしい業績。
しかし、いざ支給される給与明細を見てみると、増えていたのは数千円のベースアップか、あるいは「業績連動賞与」という名の一時的なアメ玉だけ。
会社の利益が2倍、3倍になっているのに、自分の基本給が2倍になることなんて、まずあり得ない――。
「これだけ会社に貢献したのに、なぜ正当に還元されないのか?」
「従業員をなんだと思っているんだ?」
そう不満やモヤモヤを抱くのは、人として極めて自然な感情です。
しかし、冷酷な現実を言うと、これは資本主義社会における会社の構造上、そうなるのが「自然な傾向」とも言える結末なのです。
私たちがどんなに頑張っても、会社の利益と給料が比例しない理由。
それは、資本主義と労働市場が持つ「身も蓋もない仕組み」に隠されています。
その不都合な真実を紐解いていきましょう。
1. 会社は「誰のもの」かという根本的なルール
私たちがまず直視しなければならないのは、「会社とは誰のものか?」という根本的な問いです。
毎日朝早くから夜遅くまで働き、現場を回し、実際に会社を支えているのは従業員である私たちです。
だから感覚的には「会社は従業員みんなのもの」と思いたくなりますよね。
昨今では「ステークホルダー(従業員や顧客、社会)を大切にする」という経営理念を掲げる企業も増えました。
しかし、資本主義の厳格なルール(法的な所有権)に立ち返ると、答えは違います。
会社は「資本家(株主)」のものです(※非上場企業であればオーナー経営者のもの)。
株主はお金を払い、リスクを取って会社というシステム(器)を買い取った所有者です。
一方で、従業員はどこまでいっても「雇用契約を結んだ労働者」に過ぎません。
私たちがやっているのは、会社の利益を等しく山分けすることではなく、「自分の労働力を会社に提供し、株主のために利益を作り出すお手伝いをし、その対価(あらかじめ契約された賃金)を受け取る」という取引です。
どれだけ質の良い労働力を提供しても、生み出した莫大な利益の大部分は、システムを所有し、リスクを取っているオーナー(株主)側、あるいは次の投資への留保へと流れる構造になっているのです。
2. 経営から見た「給料」の本質的な位置づけ
少し厳しい例えをしましょう。
経営の視点に立つと、従業員を雇うということは、工場に新しい「生産設備」を導入することと、財務・コストの面で非常によく似た側面を持っています。
想像してみてください。
ある工場で、特定の機械が今月ものすごく調子よく稼働し、会社の利益に大きく貢献してくれたとします。
そのとき経営者は、「この機械は今月頑張ってくれたから、必要以上の予算を使って、最高級のオイルを注ぎ、過剰なメンテナンスをしてやろう!」となるでしょうか?
そんなことはしませんよね。
機械の維持に必要な、適正なメンテナンス費用(コスト)を払えば十分です。
信じたくないかもしれませんが、資本主義における「従業員の給料」の扱いも、基本的にはこれと同じロジックが働きます。
経営にとって給料とは、利益の分配ではなく「労働者が明日も同じように元気に会社に来て、高いパフォーマンスを発揮し続けてもらうために必要なコスト」という側面が強いのです。
もちろん、優秀な人材の離職を防ぐため、あるいは労働市場での採用競争に勝つために、企業は給料を上げようとします。
近年の賃上げラッシュもその一環です。
しかしそれは、「利益が出たから山分けしている」というより、「そうしないと優秀な労働力という資源を維持・確保できないから(市場競争の結果)」なのです。
一時的な賞与アップや、新しい役職(タイトル)というアメ玉は、社員のモチベーションを保つための効果的な「メンテナンス費用」です。
しかし、生み出した利益の総量から見れば、それはやはり一部に過ぎません。
3. 「出世」のトレードオフと、気づかぬうちにはまる消費の罠
「だったら、もっと死に物狂いで働いて、役員や社長を目指せばいいじゃないか」と思うかもしれません。
確かに、出世していけば裁量権が増え、市場価値も上がり、文字通りの給料は増えるでしょう。
しかし、そこには別のトレードオフ(引き換え)が待ち受けていることが少なくありません。
増えた給料と引き換えに、自分の時間が削られ、家族との時間を犠牲にし、過大なプレッシャーから心身の健康を害してしまうケースは後を絶ちません。
労働者としての枠組みの中だけで豊かになろうとすると、「お金は増えるが、人生の時間がすべて会社に買い取られる」という状態に陥りやすいのです。
さらに、現代の社会構造には、私たちが労働者を辞められないようにする「インセンティブの罠」が精巧に張り巡らされています。
- 毎日、SNSやメディアから流れてくるトレンド情報に影響され、日々大して欲しくもないものに散財する。
- 身の丈に合わない高級車やマイホームを、35年のフルローンを組んで買う。
こうして毎月の固定費や支払いに追われるようになると、人は「会社を辞める」「新しい挑戦をする」という選択肢を失います。
ローンを返すために、どんなに現状に不満があっても、どれだけ給料が上がらなくても、明日も会社に行って自分の労働力を切り売りし続けなければならなくなります。
国や社会、会社が意図的に悪意を持って設計したわけではありません。
しかし、資本主義経済を回すための「消費のサイクル」に深くハマり込んでしまうと、結果的に「豊かにはなれない程度に稼ぎ、逃げ出せない程度に消費し続ける」という、構造的に固定化されやすい状態から抜け出せなくなくなってしまうのです。
4. ループから脱出し、本当の「経済的自由」を掴むロードマップ
では、私たちに残された道は、この構造に諦めを感じながら、定年まで走り続けることだけなのでしょうか?
もちろん、そんなことはありません。
この構造的なループから抜け出し、人生の主導権を取り戻すための確実なアプローチがあります。
正式には、「労働者としての顔」を持ちながらも、少しずつ「資本家(資産を持つ側)」へと、自分の身を移していくことです。
「自分の労働力を時間給で切り売りしてお金を貰う」というルートだけに依存している以上、このモヤモヤから抜け出すのは極めて難しくなります。
私たちが目指すべきは、「自分の代わりに、自分のポケットにお金を運び込んでくれる『資産』を持つこと」です。
資本家とは、何も「大企業の社長」や「一部の大富豪」だけを指すのではありません。
自分のために働いてくれる仕組み(資産)を所有している人のことを言います。
具体的には、以下のような資産を、できるところから小さく築いていくのです。
① 金融資産(株式・投資信託など)
世界中の優良企業の株を持つということは、その企業の「ミニオーナー(資本家)」になるということです。
あなたが働いている間も、あるいは寝ている間も、世界中の優秀な社員たちがあなたのために利益を生み出し、配当金や株価上昇という形で成果を届けてくれます。
② 不動産資産
アパートやマンションなどの不動産を所有し、価値を提供することで、毎月安定した家賃収入(インカムゲイン)を得る道です。
これも自分が労働力を直接切り売りすることなく得られる、資産側の収入です。
③ 自分だけのスモールビジネス
会社員としての給料だけに頼るのではなく、副業から始めて自分だけの小さなビジネス(ブログ、SNS運用、物販、コンテンツ販売など)を持つことです。
自分のスキルや知識を仕組み化し、自分が動かなくても価値を生み出す仕組みを作れば、それは立派なあなたの「事業資産」になります。
5. 今日から始める、自分らしい人生の構築
「資本家側に行くなんて、現実味がない」と思うかもしれません。
しかし、今の時代は歴史上、最も個人の参入障壁が低い時代です。
スマートフォン一台あれば、少額から優良な株式を買うことができますし、インターネットを使って元手(リスク)を抑えてビジネスを始めることも可能です。
勤め人(会社員)として安定した給料(セーフティネット)を確保しつつ、本気で学び、行動を起こせば、誰だって一歩ずつ資産を築くことができます。
確かに、この構造から完全に脱出するには、何年もかかってしまうかもしれません。
毎月の給料からコツコツ投資に回したり、休みの日に遊ぶのを少し我慢してビジネスの勉強をしたりするのは、決して楽な道ではないでしょう。
しかし、「会社に自分の時間のすべてを委ね、定年までモヤモヤを抱え続ける人生」と、「数年間、構造を理解して必死に学び、行動して、一生モノの経済的自由を掴む人生」、どちらが本当に後悔のない人生でしょうか。
世間のトレンドや目先の一時的な消費に流され、貴重な資本(お金と時間)を浪費するのはもう終わりにしましょう。
資本主義のルールを正しく理解し、仕掛けられる側から「仕掛ける側」へ。
あなたがあなたらしく、本当の意味で自由な人生を生きるために。
今日から小さく学び、行動を起こし、あなただけの資産を構築していきましょう!

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