​【新NISA中間報告】S&P500一本で「年利10%」推移。折り返し地点で見えてきた、賢い「出口」の考え方

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​新NISA制度がスタートしてから約2年半(28ヶ月)。

2024年1月に「最速5年で生涯投資枠を埋める」という目標を立て、淡々と投資を続けてきた方にとっては、そろそろ折り返し地点が見えてくる時期ですね。

​今回は、現在の市場環境を踏まえた「中間報告」と、私が以前から注目している「非課税枠の再利用を活かした、合理的な取り崩し戦略」について、実務的な注意点を交えて解説します。

​■ 驚異の「年利10%」推移と、私たちが忘れてはいけないこと

​以前のブログでは、S&P500の長期平均をベースに「利回り8%」でシミュレーションしていました。

しかし、蓋を開けてみればこの2年数ヶ月、米国株の上昇と円安の影響もあり、実績ベースでは平均年利10%程度で推移しているケースが多く見られます。

仮に毎年360万円を投資し、年利10%で運用できた場合の現在地をシミュレーションしてみましょう。

  • 1年目(2024年末): 360万円 → 396万円
  • 2年目(2025年末): 累計720万円投資 → 831万円
  • 3年目(2026年4月現在): 運用残高は1,200万円を伺うペース。

​想定よりも資産形成が加速しているように見えますが、ここで大切なのは「自分を過信しないこと」です。

今のプラス分は、たまたま相場と為替が味方してくれた結果に過ぎません。

「円高・株安」が同時に来る時期は必ずあります。

その時に慌てないための準備こそが、投資の本質です。

​■ 復習:新NISAの「枠復活」を味方につける取り崩しスキーム

​さて、将来的な「出口」について改めて考えたいと思います。

高配当株で配当を得るのも一つの道ですが、私は「指数の成長を享受しつつ、枠の再利用ルールを使って機械的に取り崩す」方が、制度の恩恵を最大化できると考えています。

【スキームの概要】

  1. ​生涯投資枠(1,800万円)を埋めきる。
  2. ​その年末に、「取得価額ベースで360万円分」の数量を売却する。
  3. ​翌年1月、空いた枠に売却代金のうち360万円を再投資する。

​なぜ「取得価額ベース」なのか?

​新NISAの枠復活は、時価ではなく「買った時の値段(簿価)」で計算されます。

例えば、360万円で買った分が値上がりして500万円になっていたとしても、その「360万円分(元本分)」に相当する口数を売れば、翌年にはしっかりと360万円分の枠が復活します。

​これによって、非課税枠をフルに維持しながら、値上がりした「利益分」だけを自分年金のように現金化するという流れが作れます。

​■ 実行にあたっての「3つの注意点」

​この戦略は非常に合理的ですが、守るべき規律があります。

  1. 「順序リスク」への備え
    毎年20%(元本ベース)の取り崩しは、比較的高い比率です。
    もし取り崩し開始直後に数年間の暴落が重なれば、元本が削られるスピードが早まります。
    相場環境に合わせて、取り崩し率を柔軟に下げるなどの判断も必要です。
  2. 暴落時でも「淡々と売る」メンタル
    相場が悪い時は「今は売りたくない」という感情が働きます。
    しかし、そこで売却を止めると翌年の枠が復活しません。
    システムとして実行する強さが求められます。
  3. 売却タイミングの管理
    新NISAの枠復活は「受渡日」が基準です。
    年末ギリギリではなく、12月中旬までには売却を完了させるようなスケジューリングが欠かせません。

​■ 最後に

​投資に「絶対」はありません。

しかし、新NISAという仕組みをどう使いこなすかは、私たち自身の知恵に委ねられています。

​派手なリターンを追い求める必要はありません。

自分に課したルールを守り、淡々と積み上げる。

その「修行」の先にある、将来の安心を少しずつ形にしていきましょう。

​まずはそれぞれのペースで、生涯投資枠という「自分なりのゴール」をコツコツと目指していきましょう!

免責事項: 本記事は投資の勧誘を目的としたものではなく、制度の活用例を紹介するものです。投資判断は自己責任でお願いいたします。

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