メキシコの奇跡と1枚の銀貨―1ペソ銀貨に刻まれたメキシコの誇り

日常
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3連休明けの本日、こんなものが届きました。

みんな大好き、普通郵便です。

早速 開封してみましょう!

入っていたのはメキシコの独立運動の英雄、ホセ・マリア・モレロスの肖像が刻まれたメキシコ 1ペソ銀貨です。

年号は1961年で PVC汚れが疑われる感じです。

400円台で購入したので文句は言えません。

この貨幣はビリオン銀貨(低品位銀貨=billon)というカテゴリで、銀の含有量は比較的少なめです。

このため「銀貨」と呼ばれるものの、実際の銀含有量はわずかです。

アンモニア水で軽く洗浄します。

だいぶ 綺麗になりました!

この銀貨のスペックです。

項目内容
発行年1961年
額面1ペソ(UN PESO)
銀の品位0.100(10%)
重量16g
銀含有量1.6g
直径34.5mm
厚さ約2.3mm
発行元メキシコ造幣局
図柄(表)ホセ・マリア・モレロスの肖像(独立運動指導者)
図柄(裏)国章「鷲と蛇」、ESTADOS UNIDOS MEXICANOS

重量的には摩耗が目立ちます。

発行当時の時代背景とメキシコ国内情勢

1960年代初頭のメキシコは「メキシコの奇跡」と呼ばれる高度経済成長期にあり、都市化や工業化の進行でインフラ整備や中間層の拡大が進んでいました。

一方で農村部と都市部の格差や、制度的革命党(PRI)による一党独裁による政治的抑圧も明確に表面化していました。

都市部では近代的な暮らしが広まり、教育・医療・公共サービスなども発展する一方、農村における貧困や不満が徐々に高まっていた時代です。

国際情勢・歴史的文脈

発行当時の世界は冷戦下にあり、アメリカ合衆国-ソ連の対立がグローバルな緊張状態を作り出していました。

メキシコはアメリカへの経済依存が強いものの、「自主外交」を掲げ、1950年代後半からは第三世界や社会主義陣営とも距離を置いたバランス外交を意識し始めます。

1959年のキューバ革命や、アメリカとの経済協定の変化(保護貿易の強化)など、ラテンアメリカ全体が大きく揺れ動く時代、メキシコも「自立した主権国家」としての道を模索していました。

このコインの持つ象徴性

ホセ・マリア・モレロスはメキシコ独立戦争の英雄であり、強い自立と民族の誇りのシンボルでもあります。

その肖像を銀貨に採用したのは、「独立・主権・国家の自信」を国民に再確認させ、国家の団結を訴えるメッセージも込められていました。

この時代、流通貨幣としての銀貨にはすでに低品位(銀10%)が使われており、「銀の国メキシコ」の象徴性を保ちながらも経済合理性を両立していました。

まとめ

  • 1961年のメキシコ1ペソ銀貨の銀品位は10%(0.100)で、1枚あたり1.6gの銀を含有します。
  • 発行当時は高度経済成長や国際関係の転換が進む中、自立と主権、独立の象徴を国民に訴える意味が込められていました。

その時代背景や国際社会との関係も、彫刻貨幣にしっかりと反映されています。

以上、参考になりましたら幸いです!

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