こんなものが届きました。

みんな大好き レターパックプラスですね。
早速 開封してみましょう!

アメリカのコインですね。



1988年のオリンピック銀貨です。
1988年と言うと韓国のソウルオリンピックですが、なぜアメリカの記念銀貨が発行されているのでしょうか?

表面(オブバース)のデザインはパトリシア・ルイス・ヴェラーニ作です。
左手が「自由の女神のトーチ(松明)」、右手が「オリンピックのトーチ」を持ち、2つの炎が中央で一つのシンボリックな炎として合わさっています。
これは「聖火リレーによるオリンピック精神の継承」という意味が強く込められています。
左手はアメリカの象徴である自由の女神のトーチ(松明)を、右手はオリンピックのトーチを掲げており、2つの炎がひとつになっている光景は、1984年ロサンゼルスオリンピック(アメリカ)から1988年ソウルオリンピック(韓国)へ聖火が受け継がれる瞬間=平和と希望のバトンが国境を越えて手渡される象徴です。
松明の両サイドにはオリーブの枝が描かれて平和の象徴となっています。
上部には「OLYMPIAD(オリンピアード)」、下部に「LIBERTY(自由)」、左に「IN GOD WE TRUST」、右に「1988」、その下にサンフランシスコ造幣局を示す「S」の刻印があります。
このデザインは、アメリカの自由・理想とオリンピックの理念(平和・友愛・連帯)が一つになると同時に、オリンピック精神が次の開催国へと確かに継がれていくことを強調しています。

裏面(リバース)のデザインはシェリル・ジョセフ・ウィンター作です。
中央にオリンピック5輪マーク、その上に「USA」、下に「E PLURIBUS UNUM」と記されています。
「E PLURIBUS UNUM」はラテン語の成句で、「多様なものが一つになる」や「多くのものから一つのものへ」という意味です。
この言葉は、複数の州や民族、宗教、言語などさまざまな要素が集まって一つの国家・国民を形成するという理念を表しており、アメリカ合衆国を象徴しています。
アメリカ建国当初の13州が一つの統一国家になったことを示す標語として用いられ、現在でもアメリカの多様性と統一を表す信念の象徴とされています。
周囲を2本のオリーブ枝が美しく囲み、上部には「UNITED STATES OF AMERICA」、中段に「1 DOLLAR」と描かれています。
銀貨のスペックです。
項目 | 内容 |
---|---|
発行年 | 1988年 |
額面 | 1ドル |
造幣局 | サンフランシスコ(S) |
素材 | 銀90%・銅10% |
銀含有量 | 約0.7734トロイオンス |
直径 | 38.1mm(1.5インチ) |
重量 | 26.73g |
仕上げ | プルーフ |
エッジ | 縁はリーディッド(ギザギザ) |
1988年の時代背景
国際情勢
- 東西冷戦の終盤
・アメリカとソ連(当時)の間で冷戦が続いていましたが、1987年12月に中距離核戦力全廃条約(INF条約)が締結され、1988年6月に発効。
この条約により米ソの緊張緩和が進み、世界はデタント(緊張緩和)の流れの中にありました。
・同年4月には、ソ連軍のアフガニスタン撤退合意がなされ、長期化していたアフガン紛争にも終息の兆しが見られました。 - ソウルオリンピック
・1988年の夏季オリンピックは韓国のソウルで開催され、冷戦下で一部の東側諸国も含めて多くの国が参加。
アメリカは西側を代表する国としてオリンピックで存在感を示しました。
アメリカ選手団の活動資金援助を目的として本銀貨が発行された背景もここにあります。
アメリカ国内の政治・社会・文化
- 大統領選挙の年
・1988年11月にはジョージ・H・W・ブッシュが大統領に選出されました。レーガン政権からブッシュ政権への交代の年であり、保守的な政策継承やアメリカの経済的強さのアピールが続きました。 - カルチャーと社会
・映画、音楽、テレビなどアメリカンポップカルチャーが世界的に影響力を持ち、「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2」や「ラスト・エンペラー」などが話題。
・社会問題としては、エイズが深刻化し、1988年に「世界エイズデー」が設けられるなど、社会運動や啓発活動も盛んでした。
歴史的意義と総括
この1988年アメリカ・オリンピック1ドル銀貨は、スポーツを通じた国際的な交流や平和の象徴であり、冷戦の終結に向かう大きな歴史の転換点の時代、さらにはアメリカ国内でも文化・社会が大きく変化した象徴的な年に生まれました。
また、デザインはアメリカの「自由」とオリンピック精神の「平和・友愛」を松明とオリーブ枝に重ねて見事に表現しています。
コレクターズアイテムとしてだけでなく、時代の記憶を伝える歴史的資料としても高い価値を持っています。
以上、参考になりましたら幸いです!
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