色々とご縁があって この銀貨を入手しました。

1967年フィンランド独立50周年記念の10マルッカ銀貨です。
表面には、北へ飛ぶ5羽の野生ガチョウが描かれています。
これはフィンランドの自然や自由を象徴しています。
フィンランドの国名「SUOMI FINLAND」と、独立記念の年「1917-1967」が刻まれています。

裏面には、抽象的な高層建築や橋を表現したデザインが施され、その下に「10 MARKKAA」の額面が記されています。
このデザインは、近代化と発展を象徴していると考えられます。
銀貨のスペックです。
- 発行年: 1967年
- 額面: 10マルッカ
- 品位: 900銀
- 重量: 約24g
- 直径: 約35mm
- 発行枚数: 1,000,000枚
フィンランドの激動の歴史とは?
フィンランドの1800年代からの歴史は、スウェーデンとロシアの支配を経て独立を果たすまでの激動の時代を特徴としています。

この過程で、フィンランドは自治権を獲得し、独自の文化的アイデンティティを形成していきました。
1800年代:ロシア支配下での自治
- 1809年: フィンランドはスウェーデンからロシア帝国に割譲され、「フィンランド大公国」としてロシア皇帝の統治下に入りました。この時期、ロシア皇帝アレクサンドル1世はフィンランドに広範な自治権を認め、独自の法律や通貨、宗教を維持することが許されました。
- 1812年: ヘルシンキが新たな首都に指定され、近代的な都市計画が進行しました。
- 19世紀後半: フィンランドではナショナリズムが高まり、ヨハン・ルーネベリの詩やエリアス・リョンロートによる叙事詩『カレワラ』が文化的アイデンティティの基盤となりました。
- 1899年以降: ロシア皇帝ニコライ2世による「ロシア化政策」が始まり、公用語としてロシア語が強制されるなど、フィンランド人の自治権が制限されました。この政策に対し、市民的不服従運動が展開されました。
1900年代初頭:独立への道
- 第一次世界大戦中(1914-1918年): ロシア革命(1917年)の混乱に乗じて、フィンランドは独立を模索しました。同年12月6日、フィンランド議会は独立宣言を採択し、ロシアのボリシェヴィキ政府からも承認を得ました。
- 1918年: 独立直後に内戦が勃発。左派(赤衛軍)と右派(白衛軍)の対立が激化し、最終的に白衛軍が勝利しました。この内戦は約30,000人の死者を出し、国民間に深い分断を残しました。
- 1919年: フィンランドは共和制を採用し、新憲法が施行されました。カール・スタールベルグが初代大統領に就任しました。
第二次世界大戦とその後
- 1939-1940年(冬戦争): ソビエト連邦との戦争で領土を失いましたが、フィンランド軍は激しい抵抗で国際的な注目を集めました。
- 1941-1944年(継続戦争): ドイツと同盟してソ連と再び戦いましたが、最終的には領土喪失と賠償金支払いを余儀なくされました。
- 1947年: パリ講和条約によりソ連との関係が正式に確定。以降、中立政策を維持しつつも西欧諸国との経済協力を進めました。
独立50周年記念銀貨との関連
1967年発行の10マルッカ記念銀貨は、このような歴史的背景を祝うものです。
表面には北へ飛ぶガチョウが描かれ、自由と自然への敬意を表しています。
一方で裏面には抽象的な幾何学模様が刻まれ、近代化と発展への歩みを象徴しています。
この銀貨はフィンランドの独立とその後の歴史的進展を象徴する重要な記念品です。
1枚の銀貨がいろいろなことを教えてくれますね!
以上、参考になりましたら幸いです。
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