銀貨のレインボートーン(虹色の輝き)とは、銀貨の表面に微妙な彩色が現れる現象を指します。
これは、銀貨が酸化や硫化などの化学反応によって、表面に微細な酸化物や硫化物の層が形成されることで起こります。
これによって、銀貨の表面に虹色の輝きが見られるようになるんですね。
銀貨のレインボートーンは、銀貨の魅力的な要素の一つと見なされており、特に独特の色合いやパターンを持つレインボートーンの貨幣は高い人気を集めることがあります。
そんなレインボートーンですが、家庭にあるもので短時間で簡単に加工することができます。
実際にやってみましょう!
これらのものを使います。
メインはゆで卵です。
なるべく銀の品位が髙い銀貨の方がレインボートーンが付きやすいみたいです。
当初、東京オリンピックの1000円銀貨(品位925)で試そうと思いましたが、日本の 貨幣損傷等取締法 に該当しそうだったので、アメリカのケネディハーフダラーを使います。
先日、ハーフダラーの比較で紹介した 1964年製造の銀品位900のケネディハーフダラー銀貨です。
ちなみに日本の貨幣損傷等取締法は、硬貨にのみ適用され紙幣には適用されないんです。
一万円札で焚き火をしても法律的には問題ないんですね。
ただ、野焼きは法律で禁止されていますが…
これを使います。施行前にパーツクリーナーで汚れを除去し、素手で触らないようにしています。
分かりやすいように動画でも撮影しました。
ゆで卵を作ります。以前、麻薬卵にハマっていたこともあり手慣れています。
生卵のおしりに針で小さな穴を空けておくと殻を剥くのが楽になります。
10分以上しっかり茹でて黄身も硬化させます。
6分30秒とかで上げると半熟卵になってしまうので注意が必要です。
透明の蓋付きのガラス容器に銀貨を斜めに立てて入れるんですが、ガラスで滑ってしまうので、底面にマスキングテープを貼りました。
ゆで卵が出来上がり、殻も剥きました。
原理としては、卵の黄身に含まれる硫化物と卵白の中に含まれるタンパク質とが反応し、ごく少量ですが硫化水素が発生するんですね。
発生する硫化水素の量はほんのわずかであり、健康に影響を与えるほどの懸念はありません。
その硫化水素と銀貨が結びつき、銀貨の表面に微細な硫化物の層が形成されることでレインボートーンとなるのです。
素早く、黄身と卵白をスプーンで潰して混ぜます。
潰したゆで卵をガラス容器に入れ、
ハーフダラー銀貨を立たせます。
ケネディさんを外側に向けました。
ガラス容器に蓋をして密閉し、10分間保持します。
↑入れた瞬間、10秒後ぐらいです。既に変色が始まっています。
↑1分経過後です。さらに変色が強くなります。
↑2分経過後です。
↑5分経過後です。
↑8分経過後です。明らかに変色が進んでいます。
↑10分経過後です。この直後、すぐに取り出してパーツクリーナーで軽く洗浄しました。
洗浄で若干変色が消えたようです。それでもコイン右側のトーンが目立ちます。
分かりやすいように動画も撮影しました。
イーグルの面は全体的に黄褐色化した感じです。
コインの表面形状や置き方や姿勢、硫化水素の濃度、時間など多くのパラメーターがありますね。
もうちょっと長い時間保持すればもっとはっきりとトーンが付いたかもしれません、
やり方によっては芸術的なレインボートーンも施せそうですが、銀貨のトーンはその銀貨の歴史や年月を表しているものなので、まがい物のトーンでは心の底から満足出来ないと思います。
今回はブログのネタとして、銀貨に人工的なレインボートーンを施してみましたが、個人的には銀貨は輝いているほうが好きですかね。
なお、人工的に付けたトーン銀貨を天然銀貨と偽ってフリマサイトなどで販売するのは詐欺罪にあたりますので絶対に止めて下さい!
以上、参考になりましたら幸いです。
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