今回は、コインのグレーディングにおける「DETAIL(ディテール)」評価と、通常の70段階評価について、分かりやすく解説します。
通常の70段階評価(シェルドングレーディングスケール)
コインの保存状態は、アメリカで広く使われている「シェルドングレーディングスケール」に基づき、1から70までの数値で評価されます。
数字が大きいほど状態が良いことを示します。
主なグレードは以下の通りです。
グレード | 説明 |
---|---|
MS(Mint State)/60~70 | 未使用、摩耗なし |
AU(Almost Uncirculated)/50~58 | ほとんど未使用、わずかな摩耗 |
XF(Extremely Fine)/40~45 | わずかな摩耗、非常に良い状態 |
VF(Very Fine)/20~35 | 一部摩耗があるが、デザインはっきり |
F(Fine)/12~15 | 摩耗が進んでいるが、主要デザインは判別可能 |
VG(Very Good)/8~10 | かなり摩耗しているが、輪郭は残る |
G(Good)/4~6 | 文字や数字が辛うじて判別できる |
AG(About Good)/3 | ほとんど摩耗しているが、輪郭がわずかに残る |
PO(Poor)/1 | デザインがほぼ消失、種類が判別できる程度 |
DETAIL(ディテール)評価とは
「DETAIL」評価は、コインに重大な欠点やダメージ(不適切な洗浄、傷、変形、環境ダメージなど)があるため、通常の数値評価を付けられない場合に用いられる特別な評価です。
- 本来なら70段階評価で「AU」や「XF」などの数値が付くはずの状態ですが、重大な問題があるため「○○ Detail」と表示されます。
- たとえば「AU Detail」は「準未使用相当だが、問題がある」という意味です。
DETAIL評価になる主な理由
- 不適切なクリーニング(Cleaning)
- 傷やスクラッチ(Scratch)
- 変形や損傷(Damage)
- 環境ダメージ(Environmental Damage)
- 人為的な彩色(Questionable Color)
- 縁修正(Filed Rims)
- 表面修正(Altered Surfaces)
- 打刻時のエラー(Planchet Flaw, Error Coin)
具体的な表示例
- UNC Detail(未使用相当だが問題あり)
- AU Detail(準未使用相当だが問題あり)
- XF Detail(極美品相当だが問題あり)
- VF Detail(美品相当だが問題あり)
- F Details(並品相当だが問題あり)
- VG Detail(少し摩耗が激しいが問題あり)
また、鑑定ラベルには「Cleaning」「Scratch」「Damage」など、どのような問題があるかが併記される場合も多いです。
DETAIL評価の価値
- DETAIL評価のコインは、同じ保存状態で通常評価が付くコインよりも価値が下がる傾向があります。
- ただし、希少性が高い場合や、歴史的価値がある場合は一定の需要があります。
まとめ
- 通常の70段階評価は、コインの摩耗や保存状態を数値で表現します。
- DETAIL評価は、重大な欠点があるため数値評価ができず、「○○ Detail」として表示されます。ラベルには欠点の内容も明記されることが多いです。
- 表示例:「AU Detail(Cleaning)」や「XF Detail(Scratch)」など。
このように、DETAIL評価は「訳あり品」であることを示す特別なグレードです。
コイン収集や売買の際は、DETAIL評価の有無やその理由に注意が必要です。
以上、参考になりましたら幸いです!
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