先日 フリマサイトで購入した銀貨です。

1920年イギリス ハーフクラウン銀貨です。
あまり 程度も良くなかったので地金価格以下で入手できました。
表面には、ジョージ5世の左向き肖像があり、 “GEORGIVS V DEI GRA: BRITT: OMN: REX” (ジョージ5世、神の恩寵によるイギリス全土の王)とあります。


裏面にはイギリス王室の紋章があり、”FID: DEF: IND: IMP:” (信仰の守護者、インド皇帝) とあります。
銀貨のスペックです。
- 額面: ハーフクラウン
- 発行国: イギリス
- 君主: ジョージ5世
- 発行年: 1920年
- 直径: 約32.3mm
- 品位: 500銀
- 重量: 約14.1g

ちなみに これは以前紹介した東京大空襲の焼跡から発掘されたハーフクラウンです。
当時のイギリスの時代背景はどういったものだったんでしょうか?
1920年という年は、第一次世界大戦(1914年-1918年)終結から間もない時期でした。
イギリスは戦勝国の一員でしたが、その代償は大きく、社会や経済に大きな影響を与えました。
第一次世界大戦の影響
- 人的損失: 多くの若者が戦死し、労働力不足が深刻化しました。
- 経済的負担: 戦費調達のために多額の国債を発行し、インフレや財政難に苦しみました。
- 社会の変化: 女性の社会進出が進み、労働運動や社会主義運動が高まりました。
イギリス帝国の変容
- 自治領の台頭: カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの自治領が、大戦を通じて独自の地位を確立し、イギリス本国との関係が変化しました。
- アイルランド問題: アイルランド独立運動が激化し、1922年にアイルランド自由国が成立しました。
- 植民地の反発: インドなど、植民地での民族自決運動が高まり、イギリス帝国の維持が困難になりました。
ジョージ5世の役割
ジョージ5世は、第一次世界大戦中に国民を鼓舞し、王室の求心力を高めることに成功しました。
戦後は、社会の安定と復興に尽力し、国民からの信頼を得ました。
銀貨の品位の変化
1920年という年は、イギリスの銀貨の歴史において重要な転換期でした。
それまで.925(スターリングシルバー)だった銀貨の品位が、.500に引き下げられました。
これは、第一次世界大戦による銀価格の高騰に対応するための措置でした。
このため、1920年以降のハーフクラウン銀貨は、以前のものに比べて銀の含有量が少なくなっています。
まとめ
1920年銘のハーフクラウン銀貨は、第一次世界大戦後のイギリス社会の変容を象徴するコインと言えるでしょう。
戦後の経済状況やイギリス帝国の変化、そしてジョージ5世の役割など、様々な歴史的背景を反映しています。
1枚の銀貨がいろいろなことを教えてくれますね!
以上、参考になりましたら幸いです。
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