コインのグレーディングにおけるPL64とMS64PLの違いは、主に「PL(Prooflike)」と「MS(Mint State)」という用語の意味と、コインの製造方法・グレーディング会社の基準に関係しています。
用語の意味と違い
- MS64PL(Mint State 64 Prooflike)
- 「MS」は未使用通常貨(Mint State)を意味し、流通用に製造されたコインで、実際には流通せず保存状態が良好なもの。
- 「64」はシェルドン・スケールでのグレード(70点満点中64点)。傷やヘアラインはあるが、目立つものは少なく、打刻や光沢も平均以上。
- 「PL(Prooflike)」は鏡面状の光沢を持ち、Proofコインのような外観を持つことを示しますが、製造自体は通常の流通用コインです。
- つまり、通常貨のうち、Proofコインのような鏡面反射を持つものに与えられるグレードです。
- PL64(Prooflike 64)
- 「PL」はカナダや一部の国で使われるグレードで、Prooflike仕上げ(鏡面状の光沢)を持つものの、実際のProof(試鋳貨)ではなく、特別な製造工程で作られたコインに使われます。
- 「64」は同じくシェルドン・スケールでのグレード。
- PLコインは、通常貨よりも高品質な仕上げで製造されることが多いですが、流通用ではなく、コレクター向けセットなどに含まれることが多いです。
グレーディング会社による違い
- PCGSやNGCなどの大手鑑定会社では、「MS64PL」という表記が一般的です。これは通常貨の中でProoflike特性を持つものを明確に区別するためです。
- 一方、カナダなど一部の国や鑑定会社では「PL64」というグレードが使われます。これはProoflike仕上げのコイン全般に対して用いられ、必ずしも流通用コインに限定されません。
製造方法による違い
項目 | MS64PL | PL64 |
---|---|---|
製造目的 | 通常貨(流通用) | コレクター向け・特別セット用 |
製造工程 | 通常のプレスだが、たまたま鏡面状の光沢が強いもの | Proofに近い特別なプレスや磨きで鏡面状に仕上げる |
グレーディング | MS(Mint State)+PL(Prooflike) | PL(Prooflike)単独 |
代表的な国・会社 | アメリカ(PCGS、NGC) | カナダ(RCM)、一部の鑑定会社 |
まとめ
- MS64PLは「未使用通常貨」でありながらProofコインのような鏡面光沢を持つコイン。
- PL64は「Prooflike仕上げ」のコインで、通常貨よりも高品質だがProofではない。
- グレーディング会社や国によって表記や基準が異なるため、どちらが適用されるかは発行国や鑑定会社による。
この違いを理解することで、コインの価値やコレクションの意義をより深く把握できます。
以上、参考になりましたら幸いです!
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