iDeCoの出口戦略について

事業

みなさん、iDeCoはどんなときにお金を引き出せるのかご存知でしょうか?

もちろん知っているよ、原則60歳以降になったらでしょう?

それだけでは不完全です。

実はiDeCoには3つの給付金があります。

①老齢給付金

⇒原則60~75歳の自分の好きな時に受け取れるお金です。

※ただし60歳時点で加入期間が10年未満の場合は受け取れる年齢が後ろ倒しになります。

②死亡一時金

⇒加入している本人が亡くなったときに遺族が受け取れるお金です。

③障害給付金

⇒60歳前でも病気や怪我で高度障害を抱えてしまったときには引き出せるお金です。

老齢給付以外にも障害給付や死亡一時金といった もしものときの備えになるので掛け金が払い損になることはありません、これは安心ですね。

iDeCoの受け取り方ですが、現時点では3パターンがあります。

①年金

②一時金

③年金と一時金の併給

①~③の受け取り方で課税のされ方が変わってくるんですね。

ただし、死亡一時金は名前の通り一時金でしか遺族は受け取ることができません。

また、障害給付金はどんな受け取り方でも非課税です。

ここでは老後のメインとなる老齢給付金について細かく解説します。

年金として受け取った場合は雑所得になります。

■一時金として受け取る場合は退職所得になります。

併給の場合は雑所得と退職所得の組み合わせになります。

ここで、年金として受け取る場合と一時金として受け取る場合で税額が大きく変わるんですね。

判断を誤ると100万円レベルで受け取り金額が変わってきます。

税金を最小化するためには…

✔退職所得控除の範囲内で一時金として受け取る

✔退職所得控除枠を超えてしまったら、公的年金控除の範囲内で小分けにして年金で受け取る

老齢給付金を受け取る上で重要なポイントは2つあります。

①退職所得控除を全部使い切る

②公的年金控除を使い切る

退職所得控除ですが、勤続年数×40万円+20年を超えた勤続年数×70万円 で計算されます。

ここで退職控除枠を使い切ってしまうと その残り分は課税対象になります。

※ただし、退職金の場合は課税対象の金額が50%に減額されるルールです。

50%とはいえ課税されるのはイヤですよね、そういった場合は課税対象分は年金として受け取ります。

年金として受け取る場合は雑所得として課税対象になりますが、退職所得控除と同様に優遇制度があります。

それが公的年金等控除です。

65歳未満の人は年額60万円までの年金が非課税

65歳以上の人は年額110万円までの年金が非課税

現状、65歳以上から受給開始の国民年金は満額で約80万円です。

そこでiDeCoの年金を30万円入れ込むと、合計で110万円まで非課税に出来るという方法になります。

自営業者、フリーランス、専業主婦/専業主夫の人は覚えておきましょう。

厚生年金を受け取る会社員の場合は年額170万円ほどになり、110万円を超えるので、iDeCoを年金として受け取る場合は確実に課税対象になってしまいます。

その場合は無理をせず、一時金として受け取ってしまったほうがまだ良いですね。

退職金とiDeCoの受け取りの時期を調整すると、退職所得控除が2回使える方法もあるので、興味が有る方は調べてみてください。

iDeCoの出口戦略ですが、結局のところ 加入年数や勤務先の退職金、勤続年数や公的年金受給額など人によって前提が異なるので、自分に最適な判断が必要です。

そのためにも、仕組み、ルールを正しく理解して、賢くお金を受け取れる方法を継続して学んでいくしかないですね。

今後、年金関係は改悪が予測されるので、時代の変化に合わせた対応も必要になってくると思います。

以上、参考になりましたら幸いです。

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