こんなものが届きました。

早速 開封してみましょう!


入っていたのは 1970年 イタリア 1000リラ銀貨です。
「ローマ首都100周年コンコルデ」記念銀貨になります。
この銀貨のスペックです。
- 額面:1000リラ
- 発行年:1970年
- 発行枚数:約3,011,000枚(通常版)、1,140,000枚(BU版)、Proof版も存在
- 素材:銀(.835)
- 重量:14.6g
- 直径:31.4mm
- 厚さ:約2.3mm
- 発行:ローマ造幣局(ミントマーク「R」)
- デザイナー:表面 Laura Cretara、裏面 Guerrino Mattia Monassi

重量的には問題ありませんね。
デザイン詳細
- 表面:「CONCORDIA(コンコルディア)」と刻まれ、古代ローマの銀貨(デナリウス)を模したコンコルディア女神像が描かれています。これはローマ時代のアエミリア氏族のデナリウス銀貨の意匠を引用しています。
- 裏面:「ROMA CAPITALE(ローマ首都)」と大きく刻まれ、ミケランジェロ設計のカンピドリオ広場(カンピドリオの星形舗装)のパターンがデザインされています。
歴史的背景と発行意図
ローマ首都100周年とは?
この銀貨は、1870年のローマ併合(イタリア王国によるローマの占領)から100周年を記念して発行されました。
1870年9月、イタリア王国は教皇領最後の拠点であったローマを占領し、これによりイタリア統一運動(リソルジメント)が事実上完結。
翌1871年、ローマは正式にイタリア王国の首都となりました。
古代ローマとの関係性
- 表面の「コンコルディア女神」は、古代ローマで「調和」や「一致」の象徴とされ、共和政・帝政ローマ時代の貨幣にも頻繁に登場しました。
特にアエミリア氏族のデナリウス銀貨のデザインを引用することで、イタリア国家の統一や調和を象徴的に表現しています。 - 裏面の星形パターンは、カンピドリオ広場の舗装デザインで、ミケランジェロによるルネサンス期の都市設計の象徴。
カンピドリオは古代ローマ時代から続くローマの中心地であり、現代イタリア国家の首都としてのローマの歴史的連続性を強調しています。
発行当時(1970年)のイタリア情勢
- 1970年当時のイタリアは、経済成長期の終盤にありましたが、1969年の「ホット・オータム」と呼ばれる大規模な労働争議やストライキが続発し、政情は不安定でした。
- 物価上昇や労働攻勢、政権の頻繁な交代(1970年8月のコロンボ内閣発足は戦後32代目)など、社会・経済的な混乱期でもありました。
- こうした中で発行された記念銀貨は、国家統一とローマという首都の歴史的意義を再確認し、国民に誇りと一体感を呼び起こす象徴的な意味合いを持っていました。
まとめ
1970年発行のイタリア1000リラ銀貨「ローマ首都100周年コンコルデ」は、イタリア統一の最終章であるローマ併合100周年を記念し、古代ローマの調和の女神コンコルディアと、現代ローマの象徴であるカンピドリオ広場のデザインを融合させた記念銀貨です。
その発行は、イタリア国家の歴史的連続性と統一の精神を強調し、当時の不安定な社会情勢の中で国民の団結を象徴するものでした。
1枚の銀貨がいろいろなことを教えてくれますね。
以上、参考になりましたら幸いです!
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