なんとなく購入した古めの外国雑銭、持っていない国のコインが入っていたので購入してみました。
ワンチャン、銀貨が入っているかなと 期待していましたが 残念ながらありませんでした。
保管時間が長かったのか緑青で緑色になってしまっています。
緑青(りょくしょう)とは、銅や銅合金が酸素、水分、二酸化炭素などにさらされることで表面に形成される緑色や青緑色の腐食生成物のことを指します。これは化学的には主に塩基性炭酸銅(Cu2(OH)2CO3)や塩基性硫酸銅(Cu4SO4(OH)6)などの化合物から成り立っています。
緑青の発生プロセスは以下のように進みます:
- 酸化:銅が空気中の酸素と反応して酸化銅(CuO)を形成します。
- 水分の影響:酸化銅がさらに水分と反応し、水酸化銅(Cu(OH)2)を形成します。
- 炭酸ガスの影響:水酸化銅が空気中の二酸化炭素と反応して、塩基性炭酸銅(Cu2(OH)2CO3)を形成します。これが典型的な緑青です。
この緑青は、美術品や建築物(例:銅像や銅板屋根など)において、時間が経つにつれて自然に形成され、しばしば「貴い緑青」として美観が評価されることもあります。一方で、コインや日常使用される銅製品においては、腐食によって表面の劣化を引き起こすため、管理や保護が重要とされます。
また、緑青はかつては有毒と考えられていましたが、現在ではその毒性はそれほど強くないとされています。ただし、大量に摂取したり、口に入れたりしないよう注意が必要です。
このままだとちょっと触る気も起きないので洗浄することにします。
以前から検証してみたいことがあったので今回はそれを試してみます。
なるべく厚めのポリ袋を用意します。
厚さ0.08mm のポリ袋です。
その中にコインを入れます。
今回はこれを使います。クレ556のCRC です。
錆を落とし、錆を止めるそうです。
こんな感じにCRCをぶち込みます。
コインが一部浸るぐらいの量を入れました。
もうすでに緑青が溶剤に溶け込むように剥がれています。
このまま 1時間ほど放置します。
コインの変色具合なども確認します。
1時間ほど放置しました。
液の汚れぐらいはそれほど変わりませんがコインのデザインの輪郭がはっきりしたようにも感じます。気のせいですかね。
コイン表面に目立った変色などは発生しませんでした。
ポリ袋から取り出してウエスでCRCを拭き取ります。
元からあった変色や汚れなどは残っていますが、緑青らしき汚れは全てなくなりました。
反対側の面です。こちら側も緑青はなくなっています。
コイン表面の変色なども見られず、案外 CRCとコインの相性はいいのかもしれません。
ただこの状態で何ヶ月か放置した場合、 表面に変色が発生する可能性も否定できないので、継続して検証してみようと思います。
以上、参考になりましたら幸いです。
おまけ
レバノン 10ピアストル
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