クリーンDの1円銀貨を救え‼️「化学的表面改質」でAU数字付きを目指す禁断のテクニック

日常
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​古銭コレクターにとって、もっとも頭を悩ませるのが「Cleaned(洗浄済み)」や「Details(数字なし)」という鑑定結果です。

特に明治・大正期の1円銀貨(円銀)は、かつて磨いて光らせることが良しとされた時代があったため、希少な個体であってもこの「クリーンD(Details)」判定によって資産価値が激減しているケースが多々あります。

​「一度磨かれたコインに再び数字をつけるのは不可能」と言われることもありますが、現代の化学的・物理的アプローチを駆使し、鑑定士の目をパスするレベルまで表面を再構築することは、理論上可能です。

​本記事では、すでに洗浄判定を受けてしまった1円銀貨を、いかにして「準未使用(AU)」評価へ昇格させるか。

そのための化学研磨・表面加工のプロセスを徹底解説します。

​1. なぜ「クリーンD」判定されるのか?鑑定士の視点を知る

​敵を知らねば攻略はできません。

鑑定機関(NGCやPCGS)が「洗浄」と判断する主な基準は以下の3点です。

  • ヘアライン(拭き傷): 布やブラシでこすった際にできる、一定方向の微細な並行傷。
  • 不自然な光沢(スリック・ルック): 銀本来の「ラスター(車輪状の輝き)」が消え、ヌメッとした鏡面になっている。
  • 不自然な白さ(デッドホワイト): 化学薬品で酸化膜を剥ぎ取りすぎて、金属組織が剥き出しになった色味。

​これらを「化学研磨」と「表面再構成」によって、「製造時の状態」または「自然な経年変化」に見せかけるのが今回のミッションです。

​2. 化学研磨による「傷の消失」プロセス

​物理的な研磨(ポリッシュ)は、新たなヘアラインを作るだけなので厳禁です。

目指すべきは、薬品によって表面を分子レベルで溶かし、傷の「角」を丸める手法です。

​一般家庭で可能な「強力エッチング液」の調合

​市販のチオ尿素系シルバークリーナー単体では、汚れを落とす力はあっても、地金を溶かして傷をぼかす力は不足しています。これをブーストします。

  • ベース液: 市販の液体シルバークリーナー(スピーディップ等)。
  • 添加剤: クエン酸粉末(飽和状態まで溶かし込む)。
  • 反応促進: 40℃〜50℃への湯煎。

​施術の手順

  1. 脱脂: アセトンやアルコールで表面の脂分を完全に除去します。脂があると薬品がムラになり、鑑定で即撥ねられます。
  2. 超音波洗浄機での浸漬: 強力化した液に浸け、超音波洗浄機を作動させます。超音波の微振動が、傷の奥まで新鮮な薬品を送り込み、均一な溶解を促します。
  3. 秒単位のコントロール: 3秒〜5秒単位で引き上げ、水洗いして確認します。傷の「影」が薄くなり、全体がしっとりとした輝きに変わるポイントが引き揚げ時です。

​3. 表面の質感を再構築する「ブラスト処理」の応用

​化学研磨だけでは、表面が平坦になりすぎて「プラスチックのような質感」になります。これを本物の銀貨特有の「梨地(ダイ・フロスト)」に近づけるために、物理的なアプローチを併用します。

​重曹による「目潰し」マッサージ

​高圧なサンドブラストは粒子痕が残るため、家庭では「重曹ペースト」を用いた手技が有効です。

  • ​重曹に数滴の水を加え、耳たぶ程度の硬さのペーストを作ります。
  • ​指先にのせ、コイン表面を「擦る」のではなく、「円を描くように優しく撫でる」作業を1分間行います。
  • ​これにより、薬品で出すぎた鋭い光沢が微細に散らされ、AU評価にふさわしい「落ち着いたラスター」が戻ります。特に龍の鱗の周囲などは、この工程で加工の痕跡を馴染ませることが重要です。

​4. 鑑定士を欺く「時の偽装」:再醸成(リ・トーニング)

​ピカピカのまま鑑定に出すのは自殺行為です。

「洗浄したばかりのコイン」という印象を消し去るために、数年単位の時間を数週間で再現します。

​茶封筒メソッド

​もっとも安全で「自然な」仕上がりになるのが、紙に含まれる微量の硫黄を利用する方法です。

  1. ​加工後のコインを茶封筒(クラフト紙)の中に入れます。
  2. ​日当たりの良い窓際など、温度変化がある場所に2週間〜1ヶ月放置します。
  3. ​銀の表面がわずかに硫化し、「シャンパンゴールド」や「薄い黄金色」の皮膜が形成されます。

​この薄いトーンの層がフィルターとなり、薬品で消しきれなかった微細な傷を視覚的に埋め、鑑定士に「この光沢は洗浄によるものではなく、優れた保管環境によるものだ」と判断させる決定打となります。

​5. 失敗しないための「加工の限界点」

​加工には「引き際」があります。以下のサインが出たら、それ以上の加工は価値を破壊します。

  • エッジのボケ: 1円銀貨の文字や龍の鱗の輪郭が丸くなったら、それは「溶解しすぎ」です。
  • 重量減の壁: 円銀の規定重量は 26.96g です。AU/XFであれば 26.8g 程度は維持しなければなりません。これ以下になると、削り取りや偽物を疑われ、そもそも鑑定不能になります。
  • オレンジスキン: 表面がミカンの皮のように荒れてしまったら、もはや数字がつくことはありません。

​結論:リスクを承知で「芸術」に挑む

​「クリーンD」のコインを数字付きのAUへと昇格させる行為は、もはやコレクションではなく、科学と手技による「修復芸術」の域です。

​もちろん、鑑定機関の技術も日々進化しています。

しかし、銀の化学的特性を理解し、一歩ずつ慎重に表面を整えていけば、絶望的だった個体が再びスラブの中で「数字」という勲章を得る可能性は十分にあります。

次のステップとしておすすめするのは:

まずは、お手元の1円銀貨と同程度の摩耗具合の、価値の低い50銭銀貨や20銭銀貨などをテストピースとして用意することです。

そこで「薬品の濃度」と「浸漬時間」の自分なりの黄金律を見つけてから、本番に挑んでください。

​あなたの愛する1円銀貨が、再び正当な評価を受ける日が来ることを願っています。

以上、参考になりましたら幸いです!

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