先日フリーマーケットで購入した地方自治60周年記念千円銀貨です。


今回は茨城県の千円銀貨の紹介です。

年号は平成21年です。

銀貨には H-Ⅱロケットと筑波山が描かれています。
このデザインには、茨城の科学・技術の誇りと自然の象徴が詰め込まれています。
茨城県の歴史的背景と産業発展
茨城県は明治初期に旧水戸藩を中心として誕生しました。
江戸時代には水戸徳川家の影響が強く、水戸学に代表される「尊王攘夷」「勤勉・教育重視」の文化的土壌を持っています。
こうした学問と科学を重んじる気風が、戦後の筑波研究学園都市の形成にもつながりました。
昭和30年代から50年代にかけ、科学技術の国家プロジェクトとして「筑波研究学園都市」が誕生。
現在では、国や民間の研究機関約150を抱える日本最大級の科学拠点として知られています。
これにより茨城は「学問と科学の県」としての新たなアイデンティティを確立しました。
H-Ⅱロケットと筑波の象徴性
銀貨に描かれている「H-Ⅱロケット」は、日本の純国産技術で開発された宇宙ロケットです。
打ち上げを担った宇宙開発事業団(NASDA)は筑波宇宙センターを拠点としており、この地が日本の宇宙研究・探査の中枢であることを示しています。
デザイン中央には力強く上昇するH-Ⅱロケットが描かれ、「未来への飛翔」「科学立県いばらき」の象徴となっています。
背景の夜空には stars(星々)が輝き、知の探求と夢を描く県の姿勢を表しています。
筑波山の自然と精神的シンボル
ロケットの背後に広がる筑波山は、古くから「西の富士・東の筑波」と称されるほどの名山です。
標高は低いながらも美しい双峰の姿から「男女川(みなのがわ)」にまつわる神話が伝わり、筑波山神社の信仰の対象でもあります。
この山は自然の豊かさの象徴であると同時に、茨城の人々の精神的な「ふるさとの山」として親しまれてきました。
茨城県のアイデンティティ
この記念銀貨は、茨城が持つ二つの顔を一枚に表現しています。
- 筑波山に代表される「自然と伝統文化」
- H-Ⅱロケットに象徴される「科学と未来志向」
これらが共存することこそが茨城県の真の魅力であり、昔ながらの郷土意識と最先端の科学技術が調和する「知と自然の共生」が、県民の誇りとなっています。
この記念貨幣は、そんな茨城県の「学問と未来への飛翔」をテーマにデザインされた、日本の地方自治60周年シリーズでも特にメッセージ性の強い一枚と言えます。
以上、参考になりましたら幸いです!


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