フリマサイトでこんな銀貨を入手しました。

オーストラリアのフローリン銀貨です。
表面にはジョージ6世の肖像が描かれ、周囲に刻まれている「GEORGIVS VI D:G: BR: OMN: REX F:D: IND: IMP」という文字はラテン語で、「ジョージ6世、神の恩寵による全英国の王、信仰の擁護者、インド皇帝」を意味します。

このデザインはトーマス・ハンフリー・パジェットによるものです。

裏面にはオーストラリア連邦の紋章(カンガルーとエミューが盾を支えるデザイン)が描かれており、その上に王冠が配置されています。
盾にはオーストラリア6州の象徴が描かれています。
年号は1947年です。
このデザインはジョージ・クルーガー・グレイによるものです。
銀貨のスペックです。
- 材質:
- 1946年以降のフローリンは、50%銀、40%銅、5%ニッケル、5%亜鉛で構成されています。
- 重量とサイズ:
- 重量: 11.3gグラム
- 直径: 28.5mm
- 価値:
- フローリンは、当時2シリング(1ポンドの10分の1)に相当する通貨でした。

重量的には問題ないようです。
歴史的背景
フローリン銀貨は1910年から1963年まで発行され、1966年の十進法導入後は20セント硬貨に置き換えられました。
1946年以降に発行されたものは銀の含有量が50%に減少しており、それ以前の硬貨(1910-1945)は92.5%の高純度銀で作られていました。
1946年以降、オーストラリアのフローリン銀貨が50%銀、40%銅、5%ニッケル、5%亜鉛で構成されるようになった理由は、以下の経済的および実用的な要因によるものです。
1. 銀価格の高騰
第二次世界大戦中およびその後、銀の価格が大幅に上昇しました。
その結果、従来の92.5%銀貨の金属価値が額面価値を超える懸念が生じました。
この状況により、銀貨が溶解されて金属として取引されるケースが増えたため、政府は銀含有量を減らす必要に迫られました。
2. 経済的制約と資源管理
戦後の経済的困難と資源不足も背景にあります。
銀含有量を50%に減らすことで、より多くの銀貨を製造するための資源を確保しつつ、コストを削減することが可能になりました。
また、削減された銀はアメリカ合衆国への債務返済などに活用されました。
3. 新しい合金の採用
1946年から導入された新しい合金(50%銀)は、従来の純度92.5%のスターリングシルバーよりも耐久性が高く、大量生産に適していました。
この変更はコスト削減だけでなく、銀貨の実用性向上にも寄与しました。
1枚の銀貨が色々なことを教えてくれますね!
以上、参考になりましたら幸いです!
コメント