2025年、歴史的な高騰を見せ、過去最高値を更新し続けた金(ゴールド)市場。
「この勢いは2026年も続くのか?」「今から買っても間に合うのか?」と不安を感じている投資家の方も多いでしょう。
結論から言えば、2026年は単なる投資ブームを超え、「世界秩序の再編」が金価格をさらに押し上げる年になると予測されます。
本記事では、国際情勢や最新の経済指標を網羅し、2026年の金価格の行方を詳しく紐解いていきます。
1. 2026年の金価格予測ターゲット:5,000ドルへ
世界の大手金融機関は、2026年の金価格に対して極めて強気なシナリオを描いています。
| 金融機関 | 予測ターゲット(1オンスあたり) |
|---|---|
| ゴールドマン・サックス | 4,900ドル |
| JPモルガン | 平均 5,055ドル |
| バンク・オブ・アメリカ | 5,000ドル |
2025年の急騰(年初から約60%上昇)に比べると上昇率は緩やかになる可能性があるものの、依然として「金を買う理由」が非常に多い年になると見られています。
2. 価格を動かす「4つの主要経済ファクター」
なぜ金は上がり続けるのか?まずは基本的な経済の仕組みから整理しましょう。
① 米連邦準備制度(Fed)の利下げサイクル
金には利息がつきません。
そのため、世の中の金利が下がると、相対的に「金」の魅力が高まり、資金が流入しやすくなります。
2026年は米国の利下げが意識される時期であり、これが大きな追い風となります。
② インフレと法定通貨への不信
世界的な物価高や、膨れ上がる米国の財政赤字により、ドルという紙幣そのものへの疑問が広がっています。
特定の国に依存しない「無国籍通貨」である金は、資産を守る最後の砦となります。
③ 中央銀行による「爆買い」の構造化
新興国の中央銀行が、ドル依存を減らすために外貨準備を「金」へシフトしています。これは一過性のブームではなく、数十年続く「通貨の多極化」という構造変化です。
④ 地政学リスクの常態化
ウクライナ、中東、そして台湾情勢。これら地政学的な不安は2026年も解消の兆しが見えません。
「有事の金」需要はもはや一時的なものではなく、市場の前提条件となっています。
3. 国際情勢の深掘り:BRICS vs 西側諸国
2026年の金市場を読み解く最大の鍵は、世界の勢力図が塗り替わろうとしている点にあります。
■ BRICS諸国の「脱ドル化」と金裏付け通貨
ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ、そして新規加盟国を含むBRICSは、ドルの決済網(SWIFT)に依存しない独自の経済圏を構築しています。
- 金裏付け通貨の構想: BRICSが「金に連動する決済ユニット」を具体化させれば、その担保としての金需要は爆発的に高まります。
- ロシアの戦略: 産金国であるロシアは、金を自国に備蓄することで供給を絞り、価格をコントロールする「武器」として活用し続けるでしょう。
■ アメリカ:トランプ政権の「諸刃の剣」
2026年はトランプ政権2年目。彼の政策は金価格に複雑な影響を与えます。
- 関税とインフレ: 強硬な関税政策は米国内の物価を上げ、インフレ対策としての金買いを誘発します。
- 低金利への圧力: トランプ氏がFRBに強硬な利下げを迫れば、ドルの信用失墜と引き換えに金価格が急騰するシナリオも現実味を帯びます。
■ 中国:不動産バブル崩壊と「個人の防衛買い」
中国では不動産や株への信頼が失墜しています。一般市民にとって資産を守る唯一の手段が「金」となっており、国と個人の双方が「買い」に走ることで、世界最大の需要国としての地位を固めています。
4. 日本国内の価格(円建て)はどうなる?
日本の投資家にとって、「円安・円高」の影響は無視できません。
- 円安継続シナリオ: 国際価格の上昇と円安が重なれば、国内価格は1グラム2万7000円〜状況によっては3万円の大台も見えてきます。
- 円高揺り戻しシナリオ: 米国の利下げにより円高が進んだ場合、国際価格が上がっても日本国内の価格は相殺される(あるいは下落する)可能性があります。2026年は為替の変動による乱高下に注意が必要です。
まとめ:2026年に向けた投資戦略
2026年の金市場は、「上昇基調だが、乱高下も激しい年」になります。
【賢い投資のポイント】
2025年のような急騰を盲信して全財産を投じるのではなく、ポートフォリオの10〜15%程度を「守りの資産」として保有し、価格が一時的に下がった「調整局面」で少しずつ買い足すスタイルが最も賢明です。
歴史的な転換点となる2026年。今のうちに、ご自身の資産形成に「金」をどう組み込むか、じっくり検討してみてはいかがでしょうか。
以上、参考になりましたら幸いです。


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