表はブリタニア、裏は壹圓―西洋と東洋をつなぐブリティッシュ・トレード・ダラーを入手しました‼️

日常
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先日 こんなものが届きました。

みんな大好き ゆうパケットポストミニです。

色々忙しくて開封していませんでした😅

それでは開封していきましょう!

入念に梱包されています。

中身は…

イギリス(英国) ブリタニア立像 貿易銀です。

穴空き、荘印、修正の3連コンボ品です🤩

側面の感じや、

寸法、

重量から、銀製の本物っぽいです🙄

この銀貨は、イギリスが中国や東南アジアとの貿易決済専用に発行した「ブリティッシュ・トレード・ダラー(British Trade Dollar)」で、今回 入手したのは1909年銘の銀貿易ドルです。

銀貨としてのスペック

  • 額面:ONE DOLLAR(銀貿易ドル)
  • 発行期間:1895年~1935年
  • 直径:約39mm、厚さ約2~3mm、重量約26.95g
  • 品位:銀90%、残り銅10%、純銀量は約24.3g
  • エッジ:ギザ有り
  • 1909年「B」ミントマーク付きの発行枚数は約595万枚で、シリーズの中では「並年号(Common)」に位置づけられます。

デザインと文字の意味

表面(ラテン文字面)には、兜をかぶり三叉槍を持つブリタニア像と、背景の商船が描かれ、「ONE DOLLAR」と年号が刻まれています。
このブリタニア像は大英帝国の海上覇権と通商を象徴しており、背後の船は東アジアとの海上貿易を強く意識したモチーフです。

裏面(漢字面)には、中央に「壹圓」(一圓=一ドル相当)、その周囲に吉祥文様と雲気文、外周には中国風の雷文が巡らされ、さらにアラビア文字系のジャウィ文字が入っています。

漢字デザインは中国市場での信用を得るため、ジャウィ文字はマレー半島・英領海峡植民地などイスラム商人への配慮を示すもので、多文化市場向けの貨幣であることが一目で分かる構成です。

なぜ「貿易銀」が必要だったか

19世紀後半、中国や東アジアでは依然として「銀塊・銀貨」による決済が主流で、メキシコ銀ドルなど外国銀貨が広く流通していました。

香港・シンガポールなどイギリス勢力圏でも実務的にはメキシコドルやスペイン系ドルに頼っていたため、為替や品質管理の面で不便が多く、イギリス独自の安定した“貿易用ドル銀貨”が求められました。

こうした背景から1895年にブリティッシュ・トレード・ダラーが導入され、主に香港、海峡植民地(シンガポール・ペナン・マラッカなど)、中国の条約港で流通する「準現地通貨」として機能しました。

名目上はイギリス本国の通常通貨ではなく、植民地の条例などで価値が規定された“現地専用銀貨”という性格を持っていました。

発行当時の国際情勢とイギリス

19世紀後半~20世紀初頭は、大英帝国が「世界の工場」として海上貿易を支配し、アジアでも香港・シンガポール・上海などを拠点に巨大なネットワークを築いていた時期です。

アヘン戦争や不平等条約によって中国市場が開かれ、上海・天津などの条約港では各国の銀貿易ドルが競合し、その中でイギリスは自国ブランドの銀貨を通して経済的・政治的影響力を強化しようとしました。

同じ時期、日本も円銀を発行して中国貿易に参入し、メキシコ銀ドル・日本円銀・イギリス貿易ドルなどが銀相場と信用度を競う「銀貨戦争」のような状況になっていました。

20世紀に入ると各国が金本位制への移行や紙幣制度の整備を進め、第一次世界大戦や銀価格の変動もあって、こうした大型銀貿易ドルは次第に役目を終え、1930年代には発行が停止されていきます。

文化的な意味と現在の評価

ブリタニア立像貿易銀は、西洋の女神像と東洋風意匠が表裏に同居する、当時の「帝国とアジア世界の接点」を象徴するコインといえます。

中国商人やマレー系商人に受け入れられるようデザインと文字を工夫した点は、貨幣が単なる金属片ではなく「文化と信頼」の道具であることをよく示しています。

現在では、銀含有量の高さと美しいデザイン、大英帝国と東アジア貿易史を物語る資料性から、世界中のコレクターに人気があります。

ただし実用品として多くが流通・摩耗し、さらにアクセサリー加工(穴あけ、打ち抜き)された例も多いため、未加工・高グレード品はプレミアムが付きやすい一方、穴あき品は主に「歴史的・装飾的なオブジェ」として楽しまれることが多いです。

以上、参考になりましたら幸いです!

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