本日、こんなものが届きました。

早速 開封してみましょう!


届いたのは 1893年イギリス1シリング銀貨です。
1920年以前のイギリス銀貨なので銀純度92.5%のスターリングシルバー製になります。
だいぶ摩耗しているので地金価格以下で入手できました😅
銀貨のスペック
- 発行国: イギリス(United Kingdom)
- 発行年: 1893年
- 君主: ヴィクトリア女王(在位1837–1901年)
- 額面: 1シリング(1/20ポンド)
- 材質: スターリングシルバー(銀92.5%)
- 重量: 約5.65g
- 直径: 23.5mm
- エッジ: ミルド(ギザあり)
- 表面デザイン: ヴィクトリア女王の「オールドヘッド(ヴェールドヘッド)」肖像(トーマス・ブロック作)
- 裏面デザイン: 王冠を戴くイングランド、スコットランド、アイルランドの三つの盾とバラ・アザミ・シャムロック(エドワード・ジョン・ポインター作)
- 発行枚数: 約7,039,074枚
- 貨幣法上の地位: 既に法定通貨としては失効。

見た目の通り だいぶ摩耗していますね😅
銀貨の特徴
- 表面のラテン語銘文「VICTORIA DEI GRA BRITT REGINA FID DEF IND IMP」は、「神の恩寵によるイギリス女王、信仰の守護者、インド皇帝ヴィクトリア」を意味します。
- 1893年発行分は「オールドヘッド(ヴェールドヘッド)」肖像の初年度であり、ヴィクトリア女王の晩年の姿を象徴しています。
- 裏面はイギリスの三王国(イングランド、スコットランド、アイルランド)を象徴する盾と、それぞれの国花(バラ、アザミ、シャムロック)が描かれ、英国の統一と伝統を表現しています。
発行当時の歴史的背景
ヴィクトリア時代(1837-1901年)
1893年は「ヴィクトリア時代」の後期にあたり、イギリス帝国は工業力・海軍力・植民地支配の面で世界の頂点にありました。
この時代、イギリスは立憲君主制を基盤としつつ、議会政治(特に庶民院)が実質的な権力を持つようになっていました。
社会の近代化とともに、都市化・産業化が進み、労働者階級の台頭や社会問題も顕在化していました。
1893年の主な出来事
- 炭鉱労働者ストライキ: 1893年にはイギリス全土で約30万人の炭鉱労働者が参加する大規模なストライキが発生し、労働運動が活発化していました。これは新たに設立された鉱山労働者連盟(MFGB)が中心となり、労働条件や賃金改善を求める動きが強まった象徴的な出来事です。
- 1893年恐慌(Panic of 1893): アメリカで発生した大規模な金融恐慌が国際的に波及し、イギリスの経済や金融市場にも影響を与えました。海外投資家による資金引き上げや貿易量の減少が、イギリスの産業界にも不安をもたらしました。
ヴィクトリア女王の晩年と帝国の象徴
- 1893年はヴィクトリア女王即位50年(ゴールデンジュビリー)を過ぎた後であり、女王の威光と帝国の繁栄が強調されていた時期です。
- コインの肖像も「老年の女王」を象徴するヴェールドヘッド(オールドヘッド)に切り替わり、帝国の安定と伝統を表現しています。
まとめ
1893年のイギリス1シリング銀貨は、ヴィクトリア時代後期のイギリス帝国の繁栄と社会変動を象徴する貨幣です。
高い銀純度と精緻なデザインを持ち、女王の晩年の姿と英国三王国の統一を表現しています。
当時は産業・労働運動の活発化や世界的な経済不安も背景にあり、社会の変化と帝国の威光が交錯した時代の記念碑的な銀貨といえます。
銀貨の流通摩耗も、当時の経済の一端を担っていた結果だと考えると 感慨深いものがあります。
1枚の銀貨がいろいろなことを教えてくれますね。
以上、参考になりましたら幸いです!
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