​【天保二朱判金】偽物リスクは極小⁉️庶民を支えた「1/4両」の真贋判定4つの極意

日常
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先日 骨董市で買ってきた古銭です。

天保二朱判金2枚です。

初めて判金を買いました😅

そもそも天保二朱判金とは どういったものでしょうか?

江戸時代に流通した代表的な金貨といえば小判ですが、その中でも判金系の小型貨幣「天保二朱判金」は、コレクターから庶民まで幅広く使われた興味深い存在です。

天保二朱判金とはどんな金貨?基本情報と発行の経緯

天保二朱判金(てんぽうにしゅばんきん)は、天保3年(1832年)~安政5年(1858年)頃まで、幕府により鋳造・発行された長方形型の金貨です。

小判が大型貨幣であったのに対し、日常生活での少額決済や庶民・商人向けの取引に使いやすいよう設計された「小型判金」の代表格です。

金貨といっても「天保二朱判金」は純金ではなく、金と銀の合金で作られています。

具体的な組成は金約29.8%、銀約70.2%で、重量は約1.68グラム前後。

純金コインほど光沢が鮮やかではありませんが、金銀合金ならではの独特の風合いや変色などが楽しめるのも魅力です。

なぜこの判金が生まれたのか?

江戸後期の幕府はたび重なる災害、米価高騰、財政難に悩まされ、貨幣改鋳による財政再建が急務となっていました。

小判や一分金だけでは流通が不便になり、少額決済用に「二朱」という新しい区分の判金が導入されたのです。

実際に天保二朱判金は庶民の生活に浸透し、江戸期後半の貨幣制度を支える重要なピースとなりました。

時代背景と「二朱判金」の社会的役割

天保期(1830~1844年)は、全国的に大飢饉や都市経済の混乱が続きました。

幕府は状況打開策として貨幣制度改革に着手し、金銀合金貨を主力に据えたのです。

二朱判金は小判や一分金と異なり、日用品や食料を買う時の決済手段として現実的な額面を持ち、商人や庶民層の日常取引を下支えしました。

当時の物価を調べてみると、二朱判金1枚で米数十升や蕎麦数十杯分、銭湯なら数十回分が購入できたと言われています。

単位としては

1両=8朱

二朱判金は「1/4両」に位置づけられるため、当時の生活実感に即した使いやすい通貨だったのです。

判金のデザイン・特徴

天保二朱判金は縦約20mm・横約12mmの小判型で、表面には桐紋(花模様)、裏面には菊紋や「二朱」の文字が刻まれています。

縁には細かい点紋が施され、全体的に手打ちの温かみが感じられます。

経年変化や銀の硫化によって黒ずみ・変色することもあり、古銭ファンにはその個体差もコレクションの楽しみとなっています。

偽造品の現状とその理由

では、この判金に偽物は多く流通しているのでしょうか? 

結論から言うと、万延小判など高額金貨に比べれば「偽物」はかなり少ない部類です。

その理由は単純で、地金価値がそれほど高くないことと、判金自体が手打ちかつ細工が難しいため、効率よく偽造しても採算が取れなかったからです。

明治末~昭和初期には玩具目的や商店のレプリカとして模造品が作られた例もありますが、本格的な古銭フェイクはあまり見かけません。

それでも近年はネットオークションや観光地などで、ごく稀にメッキ模造・鋳造レプリカが登場するため、油断は禁物です。

真贋判定のノウハウ

天保二朱判金を手に取った時、本物・模造の判定にはいくつかのポイントがあります。

  • 打刻や意匠の鮮明さ
     本物は手打ち打刻による独特の立体感があり、花紋や文字が鮮明です。偽物や量産模造では、線が甘くぼやけていることが多いです。
  • 縁の点紋細工
     周りの点紋が均一で細かいかどうかも重要。模造はどうしても粗くなったり、等間隔でなくなることがあります。
  • 材質と比重
     本物は金約3割・銀約7割なので、酸化や硫化による自然な変色(黒ずみ)が特徴です。
    比重も他の金属と微妙に違うため、コレクターは小型スケールや比重計で計測することもあります。
    極端に軽い・厚さが異なるものは要注意。
  • 寸法・重さ
     正規品はサイズ1.65~1.7g/約20×12mm。
    これが著しく違う場合は模造や非正規品です。
  • 刻印のパターンとバリエーション
     年代による刻印の違いは細かいですが、大きくパターンが外れているものは模造リスク大。
    判金研究書や専門ウェブサイトと照合するのがおすすめです。

市場価格とコレクションの注意点

現在の天保二朱判金は、状態や打刻、経年変化によって市場価格が1枚6,000円~1万円程度で流通しています。

画像のように「金298、銀702」「量目約1.68g」などと明記されたものは、判金コレクションの定番級。

初心者向けにも入手しやすく、真贋判定の勉強にも最適です。

ネットオークションや実店舗での購入時は、画像で刻印部・縁細工・変色などしっかり確認し、必ず「材質・重量」もチェックしましょう。

古銭商や鑑定機関経由ならより安心ですが、判金分野は市場流通が安定しており、偽物リスクも比較的低めです。

江戸の暮らしや貨幣制度の歴史を感じる「天保二朱判金」。
実物を手にすると、当時の価値観や庶民の生活ぶりがリアルに伝わってきます。
金銀の輝きとともに、歴史の一端をあなたのコレクションに加えてみませんか。

以上、参考になりましたら幸いです!

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